表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クサリ  作者: 鈴村雅味
1/3

序章

深夜。

人が賑わう繁華街。

その裏路地に柄の悪い男が三人、少年と少女を囲んでいた。

男達は髪を染め、いかついアクセサリーを付け、目付きを鋭くし、少年を睨む。

睨まれた少年と、その少年の背中に隠れるようにして男達の様子を窺う少女。

もしこの場を第三者が目撃すれば、不良かヤクザに絡まれたかわいそうな少年、少女。

と、いったところだろうか。

しかし、よく見ると少年は両腕をポケットにつっこみ、少女は脅えるどころか男たちなどいないかの様な装いで、少年の背に体を預け、幸せそうにしている。

一方男達はというと、三人とも額に汗を浮かべ、歯を喰い縛り、何かに耐える様な仕草をしていた。

「なあ、お兄さん達。俺たち急いでるから、そこをどいてくれるか?」

『…………』

少年の言葉に男達は何の反応もしない。

違う。できないのだ。

男達はもはや目の前の少年の雰囲気に呑まれていた。

「はあー。じゃ、通してもらうぞ」

少年はそういうと、後ろにいる少女を背中から引っぺがし歩き始める。

「あっ! まっ――」

「ちょ、ちょっと待てよッ!」

少女が少年を追いかけようとしたところで、男達のリーダー格が少年の肩を掴んだ。

おそらくはこの男のちっぽけなプライドが年下の少年にビビッた。という事実を認めたくなかったのであろう。

傍目から見てもそれは、無理をしているように見えた。それでも男は少年に襲い掛かったのだ。

男の拳はまっすぐに少年の顔面に向かい、しかし、その拳が届く事はなかった。

少年は左手で男の拳を掴み、右手で男の鳩尾にゆっくりと触れる。

次の瞬間、男は吹き飛ばされていた。

路地裏の汚い地面に転がり、それでも止まらず、男は建物の壁にぶつかり、やっとその動きを止める。

『…………』

残された男二人はその光景を見て固まる事しか出来なかった。

「おい」

そんな男たちに少年は言う。

「そこに転がっているヤツ連れて帰ってあげて」

そういうと、少年は今度こそ路地裏の奥に進んでいく。

『    』

もはや聞いてるのか、意識があるのかも判らない男達に少女は最後頭を下げ、その少年を追っていくのだった。


出来次第どんどん投稿していきますので宜しくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ