前へ目次 次へ 8/16 蒼月斎 「時代が動くか……血も積み重ねも知らぬ者らが、世界を玩具のように回しおって……」 六十を越えた流浪の剣客。深く編まれた笠と鬼面で素顔を隠し、各地を渡り歩く無所属の老人。無駄口は叩かず、酒と平穏を好む。だが一度刀に手を掛ければ、抜き終わる頃には勝負が決していると噂される。若き日に名を轟かせた達人とも、戦場を捨てた敗残兵とも囁かれるが真実を知る者はいない。弱きを見捨てず、強者には容赦なく刃を向ける。その一太刀は音すら置き去りにする。