ここまで
そしてこのザマである。
嘲笑の中どうやって儀式の間を出たか覚えていない。
引率した大人もどう声をかけていいか分からず困惑した表情だったのが僕の気持ちを更に暗くさせた。
他の子は複数のスキル持ちで火属性のスキルやアイテムボックス中など様々な恩恵がもらえてたのに…。
ポポの儀式の前だったので、彼のスキルは見ていないけどきっと彼も良いスキルを授かっているのだろう。
宿の大部屋に1人先についた僕は力無くベッドに倒れ込んだ。
涙が自然に出てくる。
僕が何をしたっていうんだ。
今まで辛い事しかなかった。
それでも必死に生きてきた。
村では孤児という事で居場所はなく、院でさえ虐められて過ごしてきた。
それでもいつかスキルがあれば独り立ちしてなんとかやっていける。
それを頼りに生きてきた様なものだ。
それがこんな…。
手の甲を見るとスキル付与された証である紋章が浮かんでいる。
ふと涙が引っ込んだ。
スキル使ってみなきゃ!
そうだ、まだ希望がある。
スキルは個人差があるのだ。アイテムボックス小とはいえ、馬車1つ分の容量がある人もいるにはいるのである。
「ぐす…えっと…」
スキルを発動する。
黄金の色が目の前から噴き出る。
初めての体験にさっきまで泣いていたのを忘れて呆けてしまう。
そして大袈裟な演出に対して目の前に現れた、拳大の四角い空間を前に改めて絶望感が湧き起こってきたのだっ