2.高峰芽吹の向かった先に。
なんともコメディ_(:3 」∠)_
「なんだろう。本当に、どうして生徒会長が……?」
日米のハーフである高峰会長は長身で、腰ほどまである綺麗な金髪をしている。日本の田舎の街を歩いていれば、まず見失うことはなかった。しかし結局どこに行くのだろうか。
そう考えて歩くこと十数分。
たどり着いたのは、見晴らしの良い河川敷だった。
俺はこそこそと隠れながら、彼女が何を見ているのか確認すると……。
「あれって、見るからに不良学生だな」
彼女の視線の先にいたのは、うちの制服を着崩した学生たちだった。
学年は俺よりも上、だと思う。三年生、だろうか。
「生徒指導って、やつかな。それなら先生に任せておけば良いのに」
考えられる可能性は、それしかなかった。
漫画でしか見たことがないけれど、生徒会長が不良学生を追いかけるのは鉄板だ。しかし高峰会長にはそんなイメージがない。どちらかというとクールな、淡々と業務をこなすタイプの人だった。
もっとも、そんな俺の印象なんて関係ないだろう。
そう思って少しだけ距離を詰めようと、ゆっくり立ち上がった。その時だ。
「竜也! いつまで、そんなところで不貞腐れているの!!」
「えぇ!?」
高峰会長が、そう大声を張り上げたのは。
俺は思わずもう一度、身を隠した。そしてゆっくり、覗き込む。
「……なんだ、芽吹かよ。いい加減、オレに構うなって言ったろ」
「いやよ。竜也が学校にくるまで、アタシは何度でもくるから」
「本当にお前は、昔から物好きだよな……」
すると、聞こえてきたのはそんな会話だった。
竜也と呼ばれたのは、不良の中でもひときわ体格の良い男子のことか。丸坊主で眉を細くしており、目つきは極めて悪かった。周囲の様子を見る限り、彼がリーダー格なのだろう。
しかし竜也以外の生徒は、明らかに敵意をむき出しにしていた。
これは少し、不味いかもしれない。
「おい、テメェ!? リーダーになんて口利いてんだ!?」
「可愛らしい女だからって、容赦しねぇぞ!!」
「おい、お前ら……」
――と思っていると、早速モメ始めた!!
これで生徒会長まで言い返したら、いよいよ収拾がつかな……。
「はっ! できるものなら、やってみなさいよ!!」
えええええええええええええええ!?
会長まで、売り言葉に買い言葉ってマジかよ!!
「てめぇ、調子に乗るのもいい加減に――」
そうこうしているうちに、男子の一人が立ち上がって拳を振り上げる。
マズイ、これは――。
「ま、まてえええええええええええ!!」
そう思った時にはもう、俺は無我夢中に走り出していた。
そして、
「ご、ふ……!?」
「あ?」
「え?」
男子生徒の拳は、俺の顔面にクリーンヒットするのだった……。
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