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全てはこいつの思し召し

「貴様に与えた興奮と破滅の加護。

 それが我々に影響を与えてるのだ!」

 いきなり言われたので何のことだか分からなかった。

「この加護でお前がどんな生き方をするのか。

 それを面白おかしく見ていたのに。

 それを邪魔するとは。

 あまつさえ、我々にそれを向けるとはどういう事だ!」



 そうやって怒鳴る神とやらを見て、何となく察していった。

 どうやらこいつらが遊びで加護とやらを与えていたのだと。

 極端な成功と、それ以上の失敗。

 それも加護とやらのせいなのだろうと。

 そしてそれが今、神に向かってると。



「我が眷属の天使も悲惨なことになってる。

 全ておまえのせいだ!」

 そういってる神とやらは、怒髪天をつく勢いで叫ぶ。

 だが、そんな事どうでも良かった。



 つまり、目の前にいる女の姿をした神。

 こいつが原因だったのだ。

 そのせいで、悲惨な結果に常に陥っていた。

 しかもそれが、単に遊びのためだという。

 遊びで人生をめちゃくちゃにされたのだ。

「ふざけんな」

 怒りがこみ上げた。



「だったら徹底的にてめえらにつきまとってやるよ」

 遊びで不幸に落とされていたのだ。

 その報復をするのは当然だ。

「ふざけんなよ、アバズレ」

 女の姿をした神に向かい、そう叫ぶ。

「貴様!」

 そう叫ぶと、女の神は手をかざした。

 その瞬間に、おもちゃにされてきた男は意識を失った。



 目を覚ますといつもと同じように思いからだに悩まされる。

 疲れが抜けきらない。

 屋外で寝てるので当然だろう。

 それと、夢の内容があんまりだったのもある。

「何が楽しんでただよ」

 神と名乗る女によるあまりにも酷い話。

 それを思い出して腹が立ってきた。



 それが事実であるかどうかも分からない。

 都合の良い話を夢という形で見ただけではあるのだろう。

 だが、それでも良かった。

 怒りや憤り、恨みをぶつける対象が出来たのだ。

 それに恨み辛みを向けるだけでも気分は幾らか回復する。



 そんな男は、その日は神を名乗る女の事を考えていた。

 つきまとう事で自分にふりかかる幸運と破滅が相手にもかかるようなので。

 本当にそうなのかは分からないが、気を紛らわせるには丁度良い。

 どうせしなければならない仕事もないのだ。

 好きなだけ妄想をする時間はある。

 裏社会の者達にだけ気をつけてればいい。



「そうだ」

 そこで思った。

 いっそ、裏社会の連中にも幸運やら破滅やらをなすりつけられないかと。

 早速そいつらの事も思い描いていく。

 効果があるかどうかは分からない。

 だが、もし裏社会の連中が不幸になれば儲けものである。



 そうして夜を迎えて眠りについて。

 また神とかいってる女が出てきた。

「どうしてだ!」

 相変わらず叫んでる。

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