8話 モンスター肉
布団を跳ね飛ばし起きる。
「うーん、よく寝た」
ベットから降りてカーテンを開ける。カーテンを開けると眩しい光が目に刺さる。
「ぐっ、眩しい」
昨日、ふて寝したのが夜ぐらいの時間だったからかなり寝たらしい。
太陽をうっすら見て、光に慣れたあと朝食を食べる。ちなみに、俺は一人暮らしだから1人寂しくカップラーメンだ。
トイレや水分補給を済ますとベットに横になりヘルメットを被る。やることもないから早いけどゲームをする。俺は一応高校生だが時間は心配ない。暇なほどたくさんあるから。
目を瞑ると、意識がうっすらと薄れていく。
……
気づくと俺は人通りの多い所にいた。もちろん普通の人ではなく獣人だ。隅では屋台が開いており、美味しそうな匂いが鼻を刺激している。
よくよく見ると、ここは最初に俺が居た所だ。死んだからここにいるのかな？もし、そうならここはリスポーン地点みたいなものか。前と変わらず相変わらずうるさい。
さて、まずは冒険者ギルドに行こうかな。初死亡した所だが弓とか罠の練習したいし。
だが、その前になんだが無性に腹が減っている。
現実で飯は食べたが、ゲームでも食わないといけないのか。
屋台のいい匂いに惹きつけられ、足を運ぶ。足を止めたのは串に肉を刺して焼いている屋台。何の肉かは知らないが、とても香ばしい匂いが漂い、唾液が口内に溜まる。
「すいません。これ3本ください」
「おう。1本10ゴールドで合計30ゴールドだぜ」
筋肉質のおっちゃんが答えてくれる。
えーと、お金はどこに。ポーチの中をまさぐると、金貨の入っている小袋が見つかる。
金貨を3枚渡す。
「おう。ほらよ」
おっちゃんから3本の串肉をもらう。出来立てで湯気が漂っている。
早速、パクリと食べる。口の中に入れ、噛む。肉は程よい弾力で噛むたびに甘い脂が溢れ、とても美味い。味付けは塩で素朴なのだが、素材がいいのかとてもうまい。
自分が想像してたよりも、美味しくびっくりする。
「おっちゃんこれって……」
「ん？ああ、この肉はモンスターの肉なんだ。ていうか、おっちゃんじゃねぇからな」
これはモンスターの肉なのか……日本の高級和牛と味を比べても引けを取らない美味しさなんだが。
鑑定を使ってみよう。試しに心の中で鑑定と唱えてみる。
『レッドボアの串焼き
ランク1 品質C
レッドボアの肉を串に刺して焼いた肉。味付けは塩で美味しい。』
普通に出来た。
ふんふん、レッドボアってモンスターの肉なのか。ランク低そうだし、もっとランク高いモンスターの肉はどんだけうまいんだろう。これでこんなに美味いのにもっと美味いの食ったら中毒になるんじゃないか？ああでも、食ってみたいなぁ……。
「おい、聞いてっか？俺はおっちゃんじゃないかんな」
おっちゃんが俺の真横でなにやら叫んでた。
「あ、はい」
俺はその言葉を適当にあしらった。
ちょっと興奮して屋台のおっちゃんの話しを無視してた。危ない危ない。おっちゃんじゃないって言うけどかなり渋めの顔だからおっちゃんにしか見えんのだけど……。まあ、渋いだけでおっちゃんとはならないかもなあ。
まあ、そんなことは置いとき残りの2本も美味しく味わう。うん、美味しかったし、程よく腹は満たされた。
ちょっと蛇足もあったが、冒険者ギルドに行くか。
