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トラップって強いよねぇ?  作者: TURE 8
2章
26/51

26話 チーム結成

「うぅ、離してぇ」


 勝利の余韻に浸っていると、エマはよほど森の罠の触手に可愛がられたのか、体が触手に絡まれながら上下反転になっており、脱力していた。


「『罠解体』」


 俺が発動させると、森の罠は枯れるようにしおれていき、エマは触手の支えを失って落ちる。


「おっと」


 落ちたエマが地面に激突する前に俺は瞬時に駆け寄り、抱きあげた。


「あ、ありがと」


 エマは少し赤面しながら、もう大丈夫だからと俺に降ろすよう言った。


 俺はそれに従いエマを降ろすと、エマは乱れた服を直すと俺に向かって仁王立ちする。


「はい。……まあまあの実力だったわよ」


 そう言いながら依頼書を俺に手渡してきた。


 勢いでクエストの紙をもらったがどうしようか?ナナシとの約束があるからな……。


 俺がそれを受取ろうか迷っていると、エマがいきなり、でも!と叫んだ。


「次は負けないから!カジなんて、次やったらぼこぼこだからー!」


 悔しみを滲ませた表情で言うエマに俺はかわいい、と思った。だが、いたずら心も生まれ、


「負け兎の遠吠えだな」 そう言った。


 すると余計にエマは悔しそうにしたが、負けたことが事実だからか、言い返すことは無く少しグルルとうねっていた。



……



「うぅー、じゃあね!」


 そう言って、エマはリングの観客たちに紛れて去ろうとするが、俺はその手を掴んだ。


「待って、エマ。俺と、一緒にクエストを受けてくれないか?」


 俺はいつもソロでクエストはやっている。それは、一人の方が気楽だからだ


 俺は現実よりかはこのゲームの中ではちゃんと喋ることができる。現にサカタ以外とのプレイヤーにコミュニケーションを図ったこともあった。だが、これは俺の性格の性と言うべきか、あまり集団行動というのは慣れなかった。


 少しだけ他のプレイヤーとクエストを受けてみたこともあるのだが、大体のパーティーが5~6人で組んでおり、俺はあまり協調を取ることができなった。


 そんなチームに苦い思い出がある俺だが、このエマはまだNPCかプレイヤーか良く分からないけど、何となく俺とエマとはかなり馬が合うのではないかと個人的に思っていた。


 それに、ナナシの気をつけてという言葉が気にかかっていた。何か今回は一人で受けるのは避けたほうがいいと感じていた。


 さて、反応はどうかなと伺っていると、エマがこちらに振り返った。その表情はまんざらでもなさそうに見えた。


「えぇー、カジと一緒に?うん、まぁ私もっと割のいいクエストあったしなー」


 なんかこのまま押せばいけそう……。


「いや、エマの力が必要だ。ほんとに」


 真摯な言葉がエマに通じたのだろうか?エマの顔がまた赤面していく。


「うぅ、分かったよぉ。一緒に受けるから、ちょっと手を離して」


 ん?と思い、手を離して辺りを見渡すと、こちらを野次馬たちがめちゃくちゃ見ていた。


 あぁ、摸擬戦の観戦してたんだった。


 そのことを忘れ、やっていたエマに対する振る舞いを思い出し、俺の顔も赤面していると、野次馬たちからヒューヒューと口笛を鳴らす音、拍手の音が聞こえてきた。


「お熱いねー!二人とも」


 俺たちは野次馬たちとの歓声を背にそそくさと訓練場を抜け出してきた。

「うぅ、離してぇ」


 勝利の余韻に浸っていると、エマはよほど森の罠の触手に可愛がられたのか、体が触手に絡まれながら上下反転になっており、脱力していた。


「『罠解体』」


 俺が発動させると、森の罠は枯れるようにしおれていき、エマは触手の支えを失って落ちる。


「おっと」


 落ちたエマが地面に激突する前に俺は瞬時に駆け寄り、抱きあげた。


「あ、ありがと」


 エマは少し赤面しながら、もう大丈夫だからと俺に降ろすよう言った。


 俺はそれに従いエマを降ろすと、エマは乱れた服を直すと俺に向かって仁王立ちする。


「はい。……まあまあの実力だったわよ」


 そう言いながら依頼書を俺に手渡してきた。


 勢いでクエストの紙をもらったがどうしようか?ナナシとの約束があるからな……。


 俺がそれを受取ろうか迷っていると、エマがいきなり、でも!と叫んだ。


「次は負けないから!カジなんて、次やったらぼこぼこだからー!」


 悔しみを滲ませた表情で言うエマに俺はかわいい、と思った。だが、いたずら心も生まれ、


「負け兎の遠吠えだな」 そう言った。


 すると余計にエマは悔しそうにしたが、負けたことが事実だからか、言い返すことは無く少しグルルとうねっていた。



……



「うぅー、じゃあね!」


 そう言って、エマはリングの観客たちに紛れて去ろうとするが、俺はその手を掴んだ。


「待って、エマ。俺と、一緒にクエストを受けてくれないか?」


 俺はいつもソロでクエストはやっている。それは、一人の方が気楽だからだ


 俺は現実よりかはこのゲームの中ではちゃんと喋ることができる。現にサカタ以外とのプレイヤーにコミュニケーションを図ったこともあった。だが、これは俺の性格の性と言うべきか、あまり集団行動というのは慣れなかった。


 少しだけ他のプレイヤーとクエストを受けてみたこともあるのだが、大体のパーティーが5~6人で組んでおり、俺はあまり協調を取ることができなった。


 そんなチームに苦い思い出がある俺だが、このエマはまだNPCかプレイヤーか良く分からないけど、何となく俺とエマとはかなり馬が合うのではないかと個人的に思っていた。


 それに、ナナシの気をつけてという言葉が気にかかっていた。何か今回は一人で受けるのは避けたほうがいいと感じていた。


 さて、反応はどうかなと伺っていると、エマがこちらに振り返った。その表情はまんざらでもなさそうに見えた。


「えぇー、カジと一緒に?うん、まぁ私もっと割のいいクエストあったしなー」


 なんかこのまま押せばいけそう……。


「いや、エマの力が必要だ。ほんとに」


 真摯な言葉がエマに通じたのだろうか?エマの顔がまた赤面していく。


「うぅ、分かったよぉ。一緒に受けるから、ちょっと手を離して」


 ん?と思い、手を離して辺りを見渡すと、こちらを野次馬たちがめちゃくちゃ見ていた。


 あぁ、摸擬戦の観戦してたんだった。


 そのことを忘れ、やっていたエマに対する振る舞いを思い出し、俺の顔も赤面していると、野次馬たちからヒューヒューと口笛を鳴らす音、拍手の音が聞こえてきた。


「お熱いねー!二人とも」


 俺たちは野次馬たちとの歓声を背にそそくさと訓練場を抜け出してきた。


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