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作者目線で語ってみたい

作者目線で「ハーレム」について語りたい

作者: 寒天

最初に謝っておきます。ごめんなさい。

 今回はなろうを語る上で外せないというか、なろうの作品を特に読んだことがない人が「なろうってどんなの?」というイメージだけで語るときに真っ先に出てくるであろう『ハーレム』について少し話そうと思います。


 と、話を始める前に言っておきたいことがまず一つ。

 なろう界のテンプレの中でも大御所中の大御所、これなしではなろうは語れないというくらいにあちこちで出てくるこのハーレムですが、それ故に中には『ハーレムだからクソ!』ともうそれだけで拒絶反応を起こすハーレムアレルギーを患っている人すらいる現状です。

 ですが、大前提としてまずは「ハーレムだからダメではない」と明言させていただきます。

 どんな要素だろうが面白ければいい。それが娯楽の世界の絶対ルールですからね。

 正直個人的にはハーレム肯定派と否定派のどちらに分類されるのかと問われると、まあ否定派に属してしまうのですが、それでもまずは先入観と嫌悪感を一度0にして心を穏やかにして私の話を聞いていただければ幸いです。


目次としては

1. そもそもハーレムとは何か?

2. 作者は何故ハーレム展開にする?

3. ハーレムが嫌い、とはつまりどんな感情なのか?

4. 否定派の感想~そもそもハーレムって浮気では?

5. 個人的な良いハーレムと悪いハーレムの印象

6. ハーレムと舞台設定との相性

7. 面白いハーレムの必須条件

8. ハーレムやる場合のNG

9. 主人公以外で気をつけるべき点は?

10. まとめ~要するに筋を通せ~


の10項目となります。


1. そもそもハーレムとは何か?


 まあ最初はまずこの基本的な意識のすりあわせから行きましょう。

 カタカナでハーレムと言う場合の意味は大雑把に言うと

・イスラム圏での女性の居室、正しくはハレム

・地名(ニューヨークのスラム街)

・不特定多数の異性を侍らせている状態

・ケンタウルスホイミに部下の給料注ぎ込む隊長


 くらいですかね。

 ここで語るのはもちろんハーレム隊長……ではなく『不特定多数の異性からモテモテ状態だぜ!』って状態のことです。

 ちなみに男性が複数の女性を侍らせるのをハーレム、女性が複数の男性を侍らせるのを逆ハーレムなんていいます。

 以降は性別無関係にただハーレムとだけ記述していきます。


 まずこの「侍らせるって具体的にはどんな状況?」という疑問からですが、これに関しては正直明確な定義は無いと思います。僅かでも複数人から好意をもたれていればハーレムって人もいますし、告白など明確に好意を複数人から示されていればハーレムって人も、18才未満の少年少女も見る場所ではお見せできないことをやって始めてハーレムって人もいますので。

 ここではとりあえず一番守備範囲の広い『一人に複数人が好意を向けている状態』をハーレムとして話を進めます。

 更に、脇役キャラがハーレム野郎であるってだけのケースはこの際考える必要ないと思いますので、基本的にこれ以降出てくるハーレムとは『主人公を中心としている』と思ってください。



2. 作者は何故ハーレム展開にする?


 本能です。だから人気でます。

 ……だけでは何なので、もう少し補足を。

 まあ何故主人公をハーレム状態にするのかと言えば、まあ楽しいからでしょう。感情や倫理観を除いて生物として考えるならば、当然番いにする異性の候補は多い方がいいに決まっています。

 男性ならば子孫を残すべく少しでも多く種を撒いた方が確実ですし、そこまで数を熟すのが難しい女性であっても少しでも優秀な遺伝子を欲するのは動物としての本能です。選択肢は多いに越したことは無い……これがハーレム状態を好意的に捉える根源です。

 また、単純にチヤホヤされて嬉しくないわけがないということもあります。複数人に好意を向けられる状態というのは、つまり優しくしてくれる相手が沢山いるということ。そりゃまあ、楽しいでしょう。

 自分を認めてくれる相手に囲まれる環境とか、楽しくないはずが無い……それがハーレムを取り込む作者としての狙いであると思います。



3. ハーレムが嫌い、とはつまりどんな感情なのか?


 では、そんな作者の狙いとは裏腹にハーレム嫌悪症を発症している人がいるのは何故か?

 それは一言で言うと、読者と登場人物の間の認識のずれが激しい状態です。つまり「何故こんなクソ野郎がモテるんだ?」って感想が最初に来て違和感に耐えられないってことですね。

 先ほども言ったハーレム状態の利点、それはとにかく主人公にとって居心地の良い空間を作ることにあります。

 が、そのためには大前提として『ハーレムメンバー達から愛されるだけの魅力が主人公にある』ことになるでしょう。

 殿様の子供を産むのが目的である大奥のように『地位、権力、金などを目当てに主人公の子を欲しがっている』というくらい割り切った損得勘定で成り立つハーレムなら話は別ですが、今言っているハーレムは『ハーレムメンバーが自分の意思(恋愛感情)を一人に向けている』というものですので、当然それに相応しいモテる魅力溢れる主人公であることを求められるわけです。

 んで、読者的にはその主人公を見て『こいつがそんなモテるとは思えないけどな』という感想を持った瞬間作者としての狙いは崩壊するわけですね。

 自分が認めた好人物が他の人間にも認められるというのは嬉しいものですけど、自分が嫌いな人物が他の連中からは好かれているとか苛立ち以外ないですし。



4. 否定派の感想~そもそもハーレムって浮気では?


 そしてもう一つ。ハーレム嫌悪症の最大の原因がこれ。二股三股どころじゃねぇクソ浮気野郎にどうやって好意持てば良いの?

 という奴ですね。愛してもらっているのに全くもって不誠実極まりないと、そりゃまあ殴りたくなる気持ちもわかる。

 ぶっちゃけこれは浮気NGの価値観で育つ日本人である以上は避けられないものなのですが、対策はあります。主人公自身が『複数の女(男)にモテちまって困る』的なウザいムーブしなければとりあえずは大丈夫ですから。

 これは「不誠実で人の好意を平気で裏切るような奴はクソ野郎だ許せない!」って至極もっともな感情に基づいた嫌悪感ですので、ハーレムの中心にいる主人公がきちんと筋を通していれば話は解決します。


 複数人から愛情を受け取った末に「僕には一人を選ぶ事なんてできない!」とかほざく奴がこの嫌悪感を感じる筆頭ですので、その正反対に主人公自身の意思をはっきりさせておけば嫌悪感はグッと減ります。つまり「あくまでもモテているだけで主人公自身は浮気などしていない」ということです。主人公本人は一途に特定の相手のことを思っており、誠実な性格なので他の相手から好意を受けても決して流されない~みたいな感じです。

 現代日本で言えば、家庭を持っていながら他の異性に手を出すのは何があってもダメですが、異性から好意を向けられるだけ(本人は相手にしない、あるいはそもそも伴侶一筋で眼中に無い)ならば別に問題は無いでしょうってことですね。放置すると狂言という別の問題がその内発生しそうですけど。

 ……逆に言えば、ハーレムだからクソ派が産まれるくらいには「モテている俺」アピールがうざい主人公が量産されているということですが。



5. 個人的な良いハーレムと悪いハーレムの印象


 と、ここまでハーレムに関しての作者の狙いと裏目に出るパターンを解説しましたので、ここらで中間まとめを。

 つまり、ハーレム展開の善し悪しとは読者側が以下のどちらのように見ているか、なんです。


 面白いハーレム=人間的魅力に溢れる主人公の周りに人が集まる図

 生理的に無理なハーレム=一人で美少女(美少年)人形を相手におままごとしている光景


 このどっちか。ハーレム否定している人には後者に見えているわけですね。そりゃきついし、主人公からしても他の誰にも見せたくない姿でしょう。

 読者から見て「こいつはモテるな」と思われていれば美男美女が寄ってくることにも何ら違和感は無い。

 しかしどう考えてもモテるわけ無いなと思われていれば「ああ、この主人公(作者)は自分の意思だけで自由に動かせるお人形相手にハーレムごっこしてんだな」という、キャラが作者の都合で動いているって侮辱の最上位が飛んでくるわけです。

 脅迫、傷害、強盗、殺人、器物破損、幼児性愛などなど犯罪行為をやりまくっている奴に対して「あの人は何て優しい人なの!」と美男美女が集まってくるとか、もう都合の良いお人形にしか見えないでしょって話ですね。

 流石にんな奴はいないだろって思いました?

 かつてこのなろうの姉妹サイトとして存在していたにじファンって二次創作サイトにはそんな奴が山のようにいましたよ……。



6. ハーレムと舞台設定との相性


 ということで、感情的な面に関しての解説は大体終わったので、ここらでちょっと視点を変えます。

 と言っても、主人公に好意を抱くか嫌悪を抱くかという意味では同じなのですが……そもそも『その作品の設定とハーレムって相性いいの?』問題ですね。

 例えば、学園日常ものとかなら全然問題はありません。恋に現を抜かしていても何も問題は無い身分ですし、存分にモテ男やモテ女のラブコメをやればいいことでしょう。


 ですが……仮に「復讐に生きる闇の住民」が主人公であったりする場合、これハーレムしている場合ですか?

 親兄弟を殺され、その復讐を誓い自らもまた闇に身を落とした男……みたいなのが主人公であったとして、その立場で一般人とハーレムつくるとか『周りの迷惑考えねぇのこのクズ?』になりません?

 闇に生きるその生き様に表の住民が惹かれてしまうということはあり得ますけど、復讐者だとか未来を捨てているだとか、成功しても失敗しても死ぬことは決まっているとか、その手の路線が主軸ならば積極的に拒絶しなきゃダメでしょう。不幸にする以外の未来無いんだから、巻き込んではいけない道連れにしてはいけないと、自ら孤独になりに行くくらいのことをしなければ筋が通らないってもんです。

 まあそれでも「アナタと一緒に地獄まで行ってあげる」とかみたいなダークなメロドラマに繋がることはありますが……それをハーレムでやったらもう「いや俺(私)は拒絶したいんだけど女(男)が放っておいてくれなくてさー(チラチラ」感全開のクソ野郎になります。

 とにかく「俺がその時気持ちよければそれでよし。相手の幸せ? 何それ美味しいの?」みたいなキャラで好感を得るのはかなりの至難の業であるということですね。


 ちょっと現代設定で例を出すと、ヤクザが自分に惚れた表社会の女を相手に


「帰りなお嬢さん。俺の側にアンタの幸せはねぇ」と本心を押し殺して拒絶するのと

「俺に惚れてんの? んじゃちょっとホテルにでも行こうぜ? ヘヘヘ……」と弄ぶ気満々


 どっちが渋い男かってことですね。前者は拒絶していても何かあったら命かけて女のために戦うでしょうけど、後者は何かあれば女盾にして逃げますよ、受ける印象的には。

 そんな奴がモテモテハーレム状態……なんて言われたら、まあどんな印象受けるかは言わずもがなです。金目当てを除いて。

 他にもハーレムってる場合かと言いたくなるシチュエーションはいろいろありますけど……まあ、言いたいことは伝わると思います。



7. 面白いハーレムの必須条件


 と言うことで、そろそろ生産的な話を。

 つまり、ハーレムを取り入れて面白いってのは、主人公の人間的魅力が作中人物どころか読者まで魅了している状態ってことですね。読者置いてけぼりで作中人物だけが主人公を謎の高評価しているとお人形遊び、読者自身すらコイツはモテて当然だと思わせられれば良いハーレムってことになります。

 要するに、魅力的な主人公ならば良とかいうクソ高ハードル。積極的にハーレムを取り入れに行く作者の方々には本当に頭が下がります。私にそこまでの自信は無い。


 まあそれでもエッセイ書く以上は何かしら言わなきゃならないので、自説を少々。


 明確な正解がある話ではありませんが、再三言ってきたとおり「芯の通っている人」を目指せば良いかと。

 複数の相手に揺らぐこともあるけど基本的に『自分がチヤホヤされて気持ちいい』ではなく『自分を好いてくれる相手の事を考える』のが基本。

 自分に選んで欲しければこうなれ~ではなく「あの人に相応しい人になるべく努力する!」という方向性の方が魅力は間違いなくある。

 まあそれはそれとして、いわゆる悪系もモテるので結局料理人の腕次第ではありますが、あくまでも一例として『モテてる俺!』に陶酔しているように見えないようにするのが一番重要だと思います。主人公が調子に乗りだしたら鉄拳制裁するくらいで丁度いい。

 とにかく格好良い、もしくはいい人であることを目指すのが一番簡単だと思います。まあ三枚目のギャグキャラでも憎めない奴とか、普段はダメでもいざという時は決めるとか成功する路線は沢山あるので結局は好みですけど。



8. ハーレムやる場合のNG


 これだけは止めとけという話を少し。

 絶対にやるなは「やれやれ。女なんて興味ないんだけどなといいつつ振りほどきはしない」となります。

 こういう奴は死ねば良いと思う。


 ……失礼。つい感情が出ました。

 まあとにかく、色恋に関わっている場合じゃ無いと避けるなら全力でやりましょう。それでも対応できないということならばまた一つのドラマ(相手の好意に押し負けた)ですが、全力で拒否せずに「俺から求めたんじゃ無いんだけどな~あくまでも相手の責任だからな~」なんて腑抜けは去勢せよ。

 

 ……まあ、とにかくやるからには責任を取れってことですね。

 よくある「俺は興味ないんだけど」ってのはアレですよ? 本人的には「モテよう何てがっついてないんだけど何かモテちゃうんだよねー」的なモテ自慢のつもりかもしれませんが、客観的に評価するならば『適当に弄んで捨てても問題は無いキープが沢山います』状態ですからね?

 告白は『してもらう』側で好意は『受け取る』側で何かあっても『被害者』側にいたがるとか……平たく言って器が小せぇし根性ねぇし性根が腐れているって話です。

 複数の美女や美青年を囲いたいならそれ全部面倒見れるくらいの器のでかさを見せろ!

 それができねぇんだったら中途半端にフラフラしてねぇで本命以外にはきっぱりとごめんなさいをしろってんですよ!


 ……この話題だけはどうしても感情が出てしまい申し訳ありません。

 いや、先ほどから言っているとおり『主人公はそんなに純粋な感情から複数人にモテる存在なのか?』って前提条件からこの手の類いの奴をハーレムメンバー視点で考えますと、こう言われているも同じですからね?


『俺(私)が好きなの? だったら他の恋人達と同じように俺(私)の都合の良いときに愛させてやるよ。嬉しいでしょ?』


 百年の恋も冷めます。そのくせハーレムメンバーが他の男(女)に靡くのは許さないとか何様って話ですわな。

 これが許されるのは御猫様だけでしょう……。


 まあ積極的に「俺はモテたい!」って世界の中心で叫んでいるようなタイプならある意味大丈夫になりますけど。

 とにかく主体性が無く責任逃ればっかりやっているヒモ野郎が最悪ですので。



9. 主人公以外で気をつけるべき点は?


 最後に主人公以外、つまりはハーレムメンバーについての話です。

 主人公の名前を呼んでキャーキャー言うだけのコピー人形にしてはだめ。もうこれだけは忘れないでください。

 とにかく、ハーレムをやるにあたって最大のメリットは個性豊かなキャラ達との掛け合いの楽しさなわけなので、個性すり潰して好き好きいうだけの音声再生機能付きお人形さんにしてはダメなわけです。

 が、これを意識するとすりあわせが非常に大変です。ハーレムに限らず小説における個性ってのは、キャラが立っているかということです。似たような設定のキャラばかりがいても仕方が無いわけですから、中には相反する性格のキャラだって出てくるでしょう。

 例えば真面目な委員長タイプと自由奔放な不良系を同時にハーレム入りさせる場合、主人公が真面目系ならば何故不良から好かれるのか、主人公が不良系ならば何故真面目系から好かれるのかというところに矛盾のない魅力を用意してやらなければならないわけです。

 よくわかんないけど主人公はモテます、で納得してくれるのは催眠系R18ものの世界だけですから。

 そしてハーレム入りさせた後も当然意見は対立するでしょうから、そこの細やかな調整を行っていけるだけの繊細さ、もしくはどちらも否定して自分の意見を通すような強引さなどが主人公に求められるようになるわけですね。

 当然、作中人物が納得できるだけのものを用意できないようでは読者の納得も得られませんので『主人公さんが言うならそれに従う』なんて五円玉の前で虚ろな目をしていそうな回答を全キャラにやらせるような暴挙を働くことは無きよう願います……。


 ついでに、惚れる理由がワンパターンなのも同じ理由でよくないですね。

 ピンチを救ってもらった~という王道もそれだけを繰り返していては無個性お人形軍団のできあがりですので。最強のチート能力で救われたんだから「主人公に惚れて当然!」じゃ世の中通用しないですからね。中には打算的にその力を利用するために近づく者もいれば、強すぎる力を恐れて逆に離れていく者もいることでしょう。そのような性格によって異なる意見というものを忘れて主人公に都合の良い発想だけをさせているようではお人形遊びから抜け出せません。


 が、ならばとパターンを増やしても、適当すぎてハードルが低いのも問題です。主人公に惚れた理由が「その程度のことなら他にもいるだろ」と思われてはならないってことですね。

 主人公以外に魅力的な男(女)がその世界にはおらんの? と思われないように注意しましょう。


 また「主人公に都合が良いお人形劇」感を消すためにも、主人公的に都合の良い異性ばかりを集めるのは止めた方が無難でしょう。むしろ、羨ましさよりも笑いが先に来るようなちょっとおかしな人で固めてしまうのも有効な手段となります。

 とにかく「自分に都合の良い世界を妄想しているだけ」って評価を受けないのが最重要ですので、全然都合の良くないどころかむしろ逃げ出したいハーレムメンバーを集めてしまうというのは特効薬と言えるでしょう。それが望みの世界なのかはまた話が別ですが。



10. まとめ~要するに筋を通せ~


 ここまで長々と話してきましたが、とにかくハーレムを取り入れるなら『主人公に都合の良いお人形さんを集めました』という評価だけは絶対に避けましょう。

 もう言いたいことはこれだけと言っても過言ではありません。浮気をすれば嫌われますし、不誠実な真似をすれば見捨てられますし、顔を合わせなければ愛情なんてしぼんでいくものです。

 お人形さん遊びからの脱却とは、そういった『ハーレムメンバーにも一人一人人格や個性、主張がある』というところを強く認識するところからだと私は思います。

 そこを忘れて主人公の視点からだけ考え、主人公に都合の良い世界を作ってしまった時、あなたの手によって新たなハーレム嫌悪症患者が生み出されているのですから。


 好ましい人物がモテているのを見れば「どうだ! こいつはスゲェだろう!」と誇らしい気持ちに。

 嫌悪感を抱く人物がモテているのを見れば「見る目なさ過ぎというか薬でも使ってんの?」と難癖をつけたくなる。

 それが極自然な心理というものですからね。とにかく読者に主人公が嫌われた時点でハーレムとかいくらやっても逆効果であるというのが私の持論であります。




 最後に、よくやりがちなダメな例でも挙げましょうか。

 書きやすいので男主人公目線で行かせてもらいますが、男女逆転させても当然ダメなのは変わりません。


 例えば「俺は女なんかに興味ないね」主義であることを前提にして、敵組織の四天王的なのが現れたとしましょうか。

 その構成の比率は男3女1のいわゆる紅一点。んで、戦闘の結果『男三人は殺して女だけ救いました。命を助けられた四天王女は主人公の優しさに惚れました』になりましたと。

 客観的で冷静な視点でこの結果に評価を下すのならば「男は皆殺しだ! 女は【自主規制】だ!」と叫んでいる山賊とやっていることは変わりません。どこに優しさを感じろと?

 いっそ女にしか興味が無い野蛮な性格ならまだそれはそれで一つのキャラですけど、そんなことは絶対に認めず『あくまでも本意では無い』と責任逃れしやがるとかどこに好意を持てと?

 まあとにかく、優しさに魅力を持たせないなら美少女以外にも向けようねってな話ですね。

 まあこれはハーレムに限った話ではありませんが、自分の言動には責任を持つ。それが最低限の大人の責任ってことです。


 とまあ、これはいくら何でもこんなのはいないだろってくらい誇張した例ではありますけど、ハーレムやりたがるのに何をビビっているのか『俺に責任はない! あくまでも勝手にハーレムメンバーが押しかけてきているだけだ!』なんて根性なしな逃げばっかり連打している奴がハーレム作れるくらいにモテるのって……もう言葉もないって話です。


 


 あ、ちなみに、マジで話の都合でハーレム状態を作れさえすればいいって話ならば、再三言ってきたとおり、舞台を重婚ありな国にした上で主人公を超金持ちにすれば万事解決です。

 愛などいらぬ、金、権力、地位、名声、性欲こそが全てだと断言してしまえる欲望特化型ならばここまで長々と話したような問題は一切気にしないでいいので。

 ハーレムとは利権の上に成り立つのが自然な形。愛情は有限。

 それでも愛情で成り立つハーレムを求めるならば……それに相応しい巨大な器を持った魅力溢れる主人公作ってからにしましょう!



以上。

結局主観的な嫌悪感ダダ漏れなほぼ愚痴の内容になってしまってすいません……。


こんなのでも何か感じるものがあれば感想、評価(下の☆☆☆☆☆)をよろしくお願いします。


こんなのを書いた人がやっているだけにハーレム要素皆無の長編やってますので、よければそちらもどうぞ。


魔王道―千年前の魔王が復活したら最弱魔物のコボルトだったが、知識経験に衰え無し。神と正義の名の下にやりたい放題している人間共を躾けてやるとしよう

https://ncode.syosetu.com/n5480gp/


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そもそも現実でモテてハーレム状況になった時に嬉しいのって性行為ありきなわけで、それ無かったら人間関係が鬱陶しいし複数に気をやって集中できないわけでして。ラノベ読んでる俺らが性行為を体験できるわけではな…
生理的に無理なハーレムに言いたいことだいたい言ってくれて助かる。 ハーレムは基本嫌いです。 その最大の理由は物語自体に無理が生じて面白かったものが面白く無くなる、崩壊の原因になるからです。 不自然な…
[一言] 興味深いお話をありがとうございます。 面白いハーレムになるのは、魅力的な主人公であること、というのは本当にその通りだと思います。幼い頃にいくつかハーレムものの児童書を読んでいたのですが、どの…
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