裏クエスト
「うん、では採用面接から始めようか。っとその前に何か質問あるかい」
リラと呼ばれた小柄な少年はにっこりと私に微笑みかけた。
「えーと、はい、裏ギルドってどんな仕事をするんですか?」
「そうだね、大体表ギルドでは扱えない仕事や表ギルドで処理できなかったクエストなどが受付の人を介して渡ってくるね」
「例えばどんなクエストが?」
「ほんとに多岐に渡るんだけど、昨日だと迷子の子の親探しかなぁ」
「ホームセンター!?」
「一昨日は、黒龍狩りだったねー」
「難易度に差がありすぎでしょ!?」
「でも割と真っ当な仕事なんですね……。安心しました」
「まぁ何でも屋って言った方が分かりやすいかもね。どうだい、入ってみる気にはなったかい?はい、こちらが詳細を記した紙ね」
リラさんから渡された紙にはお給料や勤務時間、パーティ特典などが記されていた。
「うわー福利厚生しっかりしてますねー、裏ギルドの割に。へー、ここの二階に住む事も出来るんですね!しかも食事付き!」
「二階の部屋が結構余っていてね。今、僕を含めて3人いるんだけど、全員ここに寝泊まりしているんだ。」
「3人?リラさん、ナキさんとあと一人?」
「ああ、そうそう紹介したおこう」
リラさんがパチンと指を鳴らすと、その瞬間、いつのまにか黒装束を見に纏った少女が現れていた。青味のかかった黒髪に、やや幼さを感じる顔立ち。歳は私と同じ15歳くらいだろうか?
「うわ!し、忍び?」
「初めまして。忍と申す者でござる。以後お見知り置きを」
忍と呼ぶ少女に丁寧に挨拶をされた、こちらも慌てて会釈を返す。
「ヒーラです!よ、よろしくお願いします!」
「では、面接を始めようか」
☆
「職業は?」
「あの、一応回復魔術士やってます!」
「特技は?」
「ドジっ娘です!」
わわっ!正直に答えてしまった!ドジった!
「採用!」
「はや!」
「ウチも人手不足でね、今日から仕事入れるかい?」
「は、はい、是非おねがいします!」
こんな感じで速攻わたしの第二の人生が始まったのだった。




