九十三夜、ばあばの中学生生活 33 修学旅行 5
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、中学校の頃のことだけれど・・・
ガイドさんの言う通り途中の峠ではキレイに富士山が見えたよ。みんなそれぞれで集まって、暫くの休憩時間の間中富士山を眺めていたよ。
それから鎌倉の町にはいって、鶴岡八幡宮の見学だったよ。ゆっくり回ることが出来なかったけど、一応の説明と、ばあばはもう忘れちゃったけど、白拍子の恋物語だとか話してた。いろんな由来だとか、お話がたくさん有ったみたいだったよ。今度調べてみたら面白いお話があるかもしれないねえ。ほとんどがあとから面白おかしく作られたお話かもしれないけど、これまで残ってきたのはみんな興味があったんだろうね。それだけ有名だったってことかな。
それから近くの公園でお昼のお弁当が配られて、みんな気に入った人たちが固まってお昼を済ませたよ。そのあとは大きな大仏様の前でみんな揃っての記念写真を撮ったよ。そこでも大仏様の由来や、どんな風に作られたかとかお話があったよ。
大仏様の顔の鼻のところに横に筋がついててなんだろうなあって思ってたよ。誰か悪戯で付けたかと思っていたけど、これはいくつかに分けて鋳型を組んで銅を鋳込むときについた鋳型の継ぎ目らしいってわかったよ。大きいからいっぺんには作れなかったんだね。
そうしてばあばたちは鎌倉駅から列車に乗って帰ることになったよ。
帰りには富士山も見えてさすがに日本一だねってみんなで騒いでいたさ。
富士山が見えなくなった頃にはみんな疲れが出てきたのかおとなしくなってしまったよ。来る時みたいに探検に行く人たちもなくて、寝ちゃってる人も居たし、ぼんやり窓の外を見てる人が多かったよ。もうこれであとは帰るだけだって思ってる人が多かったのかね。
それでも、中には元気で歌を歌ってる人たちもいたけど、たくさんはいなかったよ。だんだん静かになっていって、浜松が過ぎるころにはみんなこっくりこっくり舟をこいでたよ。汽車に揺られながら居眠りすると気持ちがよくて、疲れも出たのだろうけどさすがに元気に歌ってる人はいなくなったかな。
途中乗り換えて、ばあばたちの学校がある街に帰ってきたのは夜九時過ぎになってたよ。
今から考えると時間がかかって、ちょっとした移動でも大変だったよね。ばあばは駅まで迎えに来ていたお父さんと一緒に帰ってきたよ。たいした荷物じゃなかったけど、東京の叔母さんからことずかったお土産や、ばあばが買ってきたお父さんや、お母さんへのお土産があったので、助かったよ。遅くなったので、歩いて帰るのはちょっと怖いしね。
こうしてばあばの修学旅行は終わってしまったさ。行く時は何でもなかったけど、行ってみると、なんだかまだそこに居たかったね。通り過ぎただけで、そこのことを何も知らないで終わってしまったような気がしたね。でも、長く住んでもそこの町のことが解らないことが多いからね。同じなのかもね。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
まだまだ書き足りないことがありましたが、とりあえず帰ってきました。




