九十夜、叔母さん家の日々 23 新しい世界 9
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、小学校の頃のことだけれど・・・
その後は何事も起こらなかったよ。参加したみんなも動揺などせずにいつものように楽しんでいたようだった。
そのうちに、お湯をかけてしまった彼をお医者さんに連れて行ったお兄さんが帰ってきたよ。そしてみんなの前で報告があった。幸い、傷はひどいものではなくてすんだ。すぐに水で冷やしたのがよかったみたいだった。本人は戻ってキャンプに参加したかったらしいけど、お父さんやお母さんが心配して家に帰ることになったそうだ。
それでもう一度、火や熱いものなど危険なことになるようなことは自分たちで判断せずに、必ず先輩や、指導者の人たちに相談することが伝えられたよ。今回、たまたま車が残っていたこと、手元に氷があったこと、それに近くに池があってすぐに冷やすことが出来たことなどが酷いことにならなかった要因だったこと。これが一つでも欠けていたらもっと酷くなって跡が残ってしまったこともあったかもしれないというお話があったよ。
キャンプに限らず火やお湯や鍋、ストーブ、やかん、保管されている灯油やガソリンなど危険なものはたくさんある。油断してぶつかったり、触ってしまったり、こぼしたり、おもちゃや、遊びに使うなど扱いを間違えるとあっという間に大きな事故につながる。特に、ガスや灯油、ガソリンなどは直接火を付けなくても気体になってしまえば電気のスイッチを入れたり、冬のドアで起きるパチ!っていう静電気でも爆発するので気を付けなければならないよ。特にガス臭い時には電気のスイッチ類を触ったり、慌てて走り回ったりしないで、窓や入り口を開けて空気の入れ替えをすることだね。
さて、少し横道にそれたけど、じいじたちの班では食事や後かたずけが済んだ後にみんなで集まって、ロープのいろいろな結び方や救急のときの三角巾を使った包帯の仕方、腕を吊るしたり、骨折したときの応急の添え木の当て方なんかを交代で勉強したよ。じいじの頭の中にはあまり入ってこなかったけど、〇カウトではこんなことも真剣に勉強してるんだって感心した覚えがあるよ。
そうして、夜が遅くなるころに先だって買ってきた寝袋に入って休むことになったよ。
ところが、じいじたちが秋まで使えて便利に思っていた寝袋は、夏には全く役に立たない事が解ったよ。暑くて寝られないんだよね。それでなくても、テント自体が風通しが悪くて息苦しいうえに、入り口を開けておけば虫が入ってくるし、蚊取り線香なんか危なくておいては置けないし、天井にぶら提げて焚いて置いてもそのうちに短くなって落ちてきて危ない。今と比べるとあの頃のキャンプはテント一つとっても不便だったよ。素材も、丈夫なのかもしれないけど帆布は重くて、暑くて、扱いにくくて、今みたいにキャンプを楽しむ感じは全くしなかったよ。
じいじは一晩中暑苦しくて眠るどころじゃなくて、とうとうごろごろしながら朝になってしまったよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
便利になった世の中ですが、新たな危ないことも増えてるんだなって思いました。




