八十七夜、ばあばの中学生生活 30 修学旅行 2
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、中学校の頃のことだけれど・・・
こうして修学旅行の第一日目が済んだんだけど、クラスのほかの人たちにとってはすごくよかったみたい。食事がすんで、お風呂もすんで、お布団の上でごろごろしながらガヤガヤ話をしている。すると話す事は当然ながら今日のことで、朝からずっと乗っていた列車で何があった、かにがあったってすごい。ばあばは席に座っていただけだけど、他の人たちはどうやら席を立ってほかの車両にも行ってたみたい。確か、あまりウロウロしないことって注意されてたはずなんだけど。
中には、一等車や特等車にまで行っていた人がいて、どこそこの車両に俳優のだれそれがいたとか、歌手の誰それが寝てたとか、信じられないよ。そんなことして怒られなかったのって聞くと、いいの、いいの、私たちは修学旅行だからよほど悪いことしなければ大目に見てくれるよ、って大きな顔をしている。そんなことあるのって思ったけど、それまではたぶん一生に一度の修学旅行だから少しは大目に見てやろうって配慮があったのかも。そう思うと、ばあばももう少しいっぱい楽しまなくてはいけないな~って思ったよ。
その夜は何事もなく更けて、遅くまでだべっていた人たちもだんだん静かになっていき、とうとう誰もが寝息を立てて、ばあばも知らないうちに眠ってしまっていたさ。
あくる日の朝ご飯は定番のお味噌汁に海苔と卵、アジの開きの焼き魚だったよ。みんなサッサと済ませて自分の部屋に帰り、バスに乗る用意を始めたよ。みんなのところに先生が忘れ物がないようにって言って回っていた。
観光バスで箱根に向けて走るんだけど、結構時間がかかったよ。
はっきりはしないけど、たぶん、中山道を走って富士五湖方面に行き、山中湖で休んでそこでお昼休憩だったかな?それからもうひとつくらい回ったのかな、富士五湖。
それから大涌谷に行って観光。その近くの宿で一泊したよ。でも、これは確かじゃないよ。ばあばがそう思ってるだけで実際は違ったかもしれないよ。なにせ、ばあばは方向音痴で今どこにいるのかちゃんとわかったためしがないからね。
山中湖は大きな湖だった。けれども、水が濁ってアオコが浮いていたさ。たぶん水が汚れてしまっていたんだね。あの頃は今のように浄化槽や下水道、排水処理なんかが徹底してなかったから、どうしても水が汚れてアオコが出たり、海では赤潮が発生してたからね。
大涌谷では噴気の近くまで行って、みんな腐った卵みたいな臭いにぎゃーぎゃー文句を言っていたよ。それで、ばあばと友達はその腐った卵の匂いのする卵を食べてきたよ。真っ黒けで食べたらお腹が痛くなりそうな臭い卵だったよ。でもそれはそこでは名産品で温泉卵っていうんだよ。籠の中に盛ってあって、くさい臭いをぷんぷんさせてたけど、みんな結構食べていたよ。体にいいようなことを言っていたお爺さんがいたけどね。
その大涌谷からそんなに離れていない所の宿に泊まったんだよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
ばあばの修学旅行の二回目です。この頃は大変だったんですね。




