八十二夜、叔母さん家の日々 19 新しい世界 5
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、小学校の頃のことだけれど・・・
じいじは今でも思うんだけど何故かこの〇カウトのことになるとあまりはっきりと覚えていないんだよね。何もなかったはずはないんだけどポツポツしか覚えていない。はっきり覚えているのは一回目のキャンプと二回目のキャンプかな?ひょっとすると三回目のキャンプが混ざっているかもしれないね。
キャンプがあるということで不足する道具やら、装備やらをお母さんと一緒にスポーツ用品店に行ってあれこれ見たことは憶えているけれど、どういういきさつで、どこの用品店に行ったのかなどは全く覚えていないよ。お母さんは仕事で街にいてこちらに帰ってくることはなかったはずだから、たぶん、大きなお金がかかるのでそれで帰ってきたのか、じいじが街に行ったのかはっきりしない。
ともかく、用品店でいろいろ見て回って、シュラフバッグ(寝袋)スリーシーズン用とナイフ(キャンプ用)を決めて買ってもらったよ。
シュラフバッグについては時間がかからずに決まったんだけど、ナイフが決まらなかったよ。ナイフについてはまだこの頃は法律で携行禁止になっていなくてちゃんとした指導者がいれば比較的自由にぶら下げて歩いてもよかったみたいだった。詳しくはわからないけども〇カウトが街中ではさすがに腰にぶら下げてはいなかったけど、キャンプで携行してもだれも苦情を言ってくることがなかったと思うよ。
キャンプ用なので小さいものでは役に立たなくて、薪割りなんかにも使えるようながっちりしたもので、片刃割り込みの実用本位のナイフだったよ。じいじはまだ小さかったから、大きすぎて使いにくかったけど、細い丸太に当てて、背中を叩いて薪割りに使ったり、杭を作るのに使ったりしたよ。
ほかの○カウトの中には、ナタや小さな斧なんかを持っていて、腰にサックでぶら下げてる人たちがいたよ。鎌も整地のために使う携帯用スコップや鍬とともに持って歩いてる人もいたよ。今から思うと、本格的で、軍隊の斥候に似た役割の〇カウト独特の装備だったね。
もちろんじいじはそんな装備を一足飛びに揃えるわけもなく、指導者のお兄さんからこれだけあれば不自由はないよっていう装備を揃えたんだよ。
これでやっとキャンプに参加できるようになったわけだよね。装備だけだけどね。あ、忘れていたよ、飯盒セットとキャンプ用食器セットもそろえたよ。水筒もね、必需品だね。
これでわかるように、これって結構な出費だよね。たぶん、誰でもできる事じゃないよ。特に、じいじみたいな、家庭環境だといくら教育上いいからと言って、ホイホイ入ったり出たりできなかったと思うよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
つぎはキャンプですね。やっとたどり着いた感?




