七十二夜、叔母さん家の日々 14 急に思いだしたこと
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、小学校の頃のことだけれど・・・
そういえば急に思いだしたんだけど、じいじがいくつの時だったかな鮮烈な思い出があったんだよ。
その時のことは目の奥に焼き付いていてずっと不思議だったし、あれは何だろうと思っていたよ。
ここまではすごくロマンチックに聞こえるからなんだけど、ちょっと日常のことから話さないといけないのが難点なんだけどね。
まえにじいじが住んでいた家の話をしたよね。その時にトイレがひとつしかないことを話したっけね。話してなかったら今話すね。
小用はべつにあったんだけど大用がひとつしかなかったんだよね。もともと農家の家だから、昔は肥料に使うために汲み出し易くするためと、臭いが家の中に籠らないように外に出ないとトイレに行けなかったんだよ。肥料に使うためには溜めておかないとだめだったし、醗酵させて使えるようにしたり、水で薄めて塩分を薄くする必要があった。だから別のところに雨水をためる瓶と醗酵させる瓶とを用意しておいて、ある程度溜まったらそこに運ぶ必要があったんだよ。
で、じいじがたまたま催して走っていったけど塞がってて「お花が摘めなかった」んだよね。走っていったから我慢が出来なくて、祖母に訴えたら新聞紙を用意してくれて、ここでしなさいって言われた。
裏にはカラタチの垣根に囲まれたミカン畑があって、その真ん中だったよ。
それこそ背に腹は代えられないっていうか我慢の限界だったから仕方ないよね。
ほっとして、ふと空を見たんだよ。
何時だったかわからない。たぶん、夜遅い時刻だったと思うよ。
空一面の星が拡がっていたよ。
周りは真っ暗で、物音一つしていなかったよ。虫も鳴いていなかった。
星の空は何処までも広がって、いろんな色に瞬いていたよ。
空の真ん中、頭のてっぺんにそれはあった。いくつもの星が寄り集まって、一塊になって青く輝いていたよ。なんの星かわからない。今まで気が付いたこともなかった。それまで眺めたこともなかった。その時が初めてで、その時以降ずっと気にはなっていたんだ。
じいじが見たものはもっとたくさんの星が集まっていたので気づくこともなかったけれど、それが六連星とも呼ばれているスバルだったんだよ。
それに気が付いたのはもっとずっと後だったよ。
そう、上の叔母さん家に移ってしばらくして商店街を歩いている時に看板を見た時、名前だけは目にしたんだけどそれとは結び付かなかった。何の看板だったか忘れたけど名前だけは変に残っていたけどね。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
これをきっかけに、忘れてたことが浮かんできました。じいじにとってはほろ苦い事でしたでしょうが、皆様に面白く読んでいただければいいんですが・・・じいじの話の中でアップできればいいな。




