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七十夜、叔母さん家の日々 13 間借り生活が始まった

今日は、じいじの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

 「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、小学校の頃のことだけれど・・・

 上の叔母さん家は隣町で駅からはかなり遠くて、バス停も近所にはなく、便利とは言い難いかな。ただ、場所は旧商店街の真ん中で人通りは結構あるところだったよ。戦災にもあってないために狭い道路と複雑に入り組んだ街並みの中にあったよ。

 自宅ではなくて、会社の社宅に住んでいたよ。家族で一階に住んで、管理人と下宿の賄いを兼ねたことをしていた。義叔父さんはそこから会社に通っていたよ。

 退院した祖母とじいじは叔母さんたちが住む棟の二階に一部屋借りてそこに暮らすことになったよ。お隣は遠方からこちらに来ていたお姉さん。こちら側の棟は女性用に使われていて、ふすま一枚だったけど静かな人でほとんど物音を立てることがなかったようだったよ。

 食事は下宿の人たちと一緒。洗面所もトイレも共同だったよ。洗面所は横に広かったし、水道の蛇口もたくさんついてた。トイレも三つあったし、じいじは少し早い時間に通学していたので混雑することもなかったよ。お風呂も共同で女性が先に使うことになってたよ。この頃には珍しい、薪で焚くのだけどちゃんと風呂釜がついていた。ちょっとした銭湯かなっていう作りになっていたように思う。

 少し離れたところだけど、下宿のお兄さんたちは会社帰りに銭湯によって、ちょっと一杯お酒を飲んで帰ることが多かったように思うよ。下宿は飲酒禁止みたいだったよ。以前飲み過ぎて喧嘩になって流血騒ぎがあってそれから禁止になったって聞いたよ。

 お兄さんたちの部屋は別棟の二階、六部屋あったよ。じいじたちがいた時は四人入っていて、後でもう一人入ってきたっけ。別棟は一階が作業スペースになっていて、会社が特に忙しい時やスペースの関係で会社でできないことをする場所になっていたよ。

 じいじは、よくそこで作業をしていたお兄さんと知り合いになってたまに遊んでもらってたよ。

 叔母さん家は子供が三人、女、男、女で、上の従姉弟がじいじより二歳か三歳下で、順に二歳違いだったかな。叔母さんは賄いで忙しかったし、こまごまとしたことでバタバタしてたから、じいじは早く帰って来れた時には一緒に遊んでいたよ。祖母も賄いの手伝い、買い物や風呂焚きなんかをやっていたよ。

 それまで、大変だったらしくて、じいじたちの隣の部屋のお姉さんがちょこちょこ手伝っていたらしいよ。お仕事の終わった後だから、たまには残業もあって、お風呂焚きが間に合わなくて皆が入るのが遅くなったことがたびたびあったってことだった。それで、会社帰りに銭湯によるのが定番とは言えないけどそれに近いことになったみたいだよ。この点、じいじたちが来たのは多少は助かっているのかもね。


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

じいじはいろんな経験をしていますね。でも、この頃にはこういう暮らしをしている人たちが多少はいたんだってことですね。これから高度成長時代が始まる前で、まだまだ貧しかったってことですか?

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