七夜、人工衛星のお話
今回はじいじの番です。うまく伝えられたかな。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、保育園にも行ってない頃のことだけれど・・・
そうかい、ばあばはゴム飛びのお話をしてくれたかい。じゃあ、じいじは人工衛星のお話でもしようかね。
じいじたちがいつも遊ぶのはちょっとした広場や、原っぱや、畑や、田んぼ、山や、池なんだけどね、そうそう小川なんかも時々遊んだよ。その中でも、広場で遊ぶのが一番多かったよ。そこで何をするかというと、人工衛星がなんといってもダントツだった。
まず、広場の真ん中に三十から六十センチくらいの丸を書くんだよ。これは遊ぶ人数が多い時は大きく、少ない時は小さくなるよ。それで、そこから周りに自分の陣地を書くんだけど、ゆうは自分の靴で、長さを測ったことがあるかい? それと同じように、自分の靴二つ分真ん中の丸から離れたところに、靴二つ分の幅の四角を書くんだよ。奥行きも靴二つ分。そう、大きい人は大きく、小さい人は小さくなるね。それでいいんだよ。そこが狭いけど最初の陣地になる。
で、自分の陣地から丸に向かって外に出ないようにまたがって、みんなでジャンケンをする。勝った人はすぐ自分の陣地へ逃げるんだよ、外に出ないでね。線も踏まないこと。
負けた人は、みんなに逃げられる前に、勝って逃げ出す人にタッチするんだよ。タッチされた人は負け。陣地を広げられない。ジャンケンには負けたけど、タッチできた人も陣地を広げられる。広げる陣地は靴二つ分。かかとを線にくっつけて、もう片方の足を最初の靴の先にかかとをくっつけて、それで靴二つ分。その分を細長い四角分だけ陣地が広くなったわけ。
みんな、最初は真ん中の丸に自分の陣地をくっつける。何故かというと、ジャンケンに負けて、タッチするときに、自分の陣地に入って、隣の人にタッチできるから。繋がってないと、線の外に出たことになって、自分だけ、ジャンケンに負けて、タッチもできない一人負けになるから。
それからは、人それぞれに、どんどん丸から離れるように陣地を伸ばしていく人、隣の陣地に触手を伸ばす人、ジャンケンに負けてる人の陣地をつくるのを邪魔する人、着々と、自分の陣地の広さを広げる人。中には、他の人の陣地をぐるっと囲んで、それ以上広くできないようにしてしまう人もいたよ。最初に負け続けていると、自分の陣地と真ん中の丸をつなげなくされてしまうから、うん、他の人が自分の陣地と丸の間に陣地を広げられると、もう丸と自分の陣地を繋げられなくなるからね。
みんないろんなことを考えて陣地づくりをするんだよ。
だから、遊びが終わった後を見ると複雑な模様ができていて、見る人が見たら、結構面白がるかもしれないね。
そうやって、朝から暗くなるまで、遊んでいたものさ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
昔の遊びって、一人、二人では、楽しめませんね。昔って、そんなに子供が多かった?




