六十八夜、叔母さん家の日々 12 上の叔母さん家へ
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、小学校の頃のことだけれど・・・
どういう経緯でなったか覚えてないのだけど、じいじは隣町の上の叔母さん家に移ることになったんだよ。なんでか全くわからない。今から思えば、気がついたらこういうことになっていたってことしかわからないよ。
だれも何も教えてくれなかったし、じいじも聞いたこともなかったし、とにかくそんなことになっていたよ。
当然、隣町は校区外になる。けれどじいじはそのまま今までの学校に通うことになっていたよ。それも自転車で・・・。
その頃、森〇ミル〇キャラメルの一粒一粒を包んでいた包装紙を集めて応募すると自転車がもらえるキャンペーンがあった。下の叔母さんが集めた包装紙を応募したら、自転車が当たっていたんだよ。
ハッキリは憶えていないけど、確か、粒の包装紙に薄い白色で森〇のエンゼ〇マークが印刷されてて、それが一枚に十個はいってるものを何枚か集めて応募したんだと思うよ。たぶん十枚。それで抽選して当たるわけだけれど、近所では見たことなかったから、当選は少なかったのだろうと思う。最初は、従姉弟達が当然使っていたよ。それが回ってきた。お下がり、かな?
従姉弟達には新品の普通の子供用自転車があてがわれ、じいじにはお下がりのミル〇キャラメルの箱の色をした宣伝広告付きの(エンゼ〇マークのプリント付き)まっ黄色の、安全カラーの、子供用自転車がもらえたよ。それを使って自転車通学をすることになった。
小学生の越境、自転車通学が始まったわけだよね。普通、信じられないよね。じいじもだよ。
よくよく考えてみると、バス停もない、電車の駅も遠い、乗る駅も、降りた後学校までも。
これは仕方ないのかも・・・だいたいこういうことになってるのがおかしいよね。
このことを話す時に考えてみたんだけど、たぶん、たぶんだよ、じいじのおばあちゃんが病気で入院したときに、住んでいた家を出ていて、とりあえずじいじだけ下の叔母さん家に預けられた。
おばあちゃんが退院したときにいっしょに上の叔母さん家に移って、とりあえず置いてもらうことになったんじゃないかな? その間に本格的に住めるところを決めるか、探す。事実、上の叔母さん家には長くいなかったように思うよ。
自転車は、従姉弟達と一緒に乗っていたから、問題なかったよ。
それから、黄色いエンゼ〇マークの自転車が、毎朝、毎晩、隣町から小学校の間を行ったり来たりすることになったんだよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
越境の自転車通学ってのがどんな経緯で許可されたのか、今となっては謎ですね。きっと、期間限定で、事情で押し切られた? ・・・小学生・・・




