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六夜、絵本遊びとゴム飛び

今日は、ばあばの順番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

 「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、保育園にも行ってない頃のことだけれど・・・

 ばあばのお父さんは、よくお仕事で、外に出ることが多かったのだけど、その際には、お土産をよく買ってきてくれたんだよ。お菓子なんかはまったくと言っていいほどなかったけど、絵本はたくさん買ってきてくれた。あちこち引っ越してるうちに、どこかに行ってしまったのか、読まなくなったので、処分してしまったのか、今はもう一冊も残っていないね。だいぶん使って、痛んでいたから、仕方ないけど、ちょっと惜しかったかな。で、読むのも読んだんだけど、それよりも、並べて家を作ったり、ままごと遊びにいろいろ使ってたね、本当は読むものなんだけど、どちらかというと、読むより使う方が多かったかも。気に入ったものは読んだり、読んでもらったりしてたけど、それほどではないものは、それなりになっちゃうよね。そんな、積み木がわりに使うほどには、たくさん買ってもらってたよね。

 ばあばが生まれたのは、その頃では比較的大きな街だったんだけど、いろいろあって、引っ越したりして、山に行ったり、海の近くに行ったり、大きな街の近くに住んだり、いろんなところに住んだことがあってね、それぞれ、お友達と、たくさん遊んでいたよ。まだまだ、大きな戦争の影響が残っていて、世の中全体が、落ち着かなくて、そわそわ落ち着かない気持ちで、暮らしてる人たちでいっぱいだったよ。みんな、貧しくて、特に、町に住んでいた人たちは、辛いことも多かったんじゃなかったかしらね。

 ばあばは小さかったから、そんなことはわからずに、山では野原を走り回ってたし、海の近くでは、砂浜で、砂でお家を作ってみたり、貝殻を拾ってみたり、お友達と四、五人で連れ立って、遊んでいたよ。家に帰る頃には、砂だらけで、お母さんや、お手伝いさんに、足や、体を洗ってもらっていた。

 ゴム跳びなんかもよくやったよ。

 ゴム飛びってのはね、輪ゴムをたくさんつないで、四メートルくらいにして、その端を二人でもって、だんだん高くしていくゴムを飛んだり、歌に合わせてゴムに足を絡めたり、それをきれいに外していくってのをするの。ゴムを持つ人の間で、一人か二人で、同じように足に絡めて、同じように外していく。歌に合わせて、二人一緒に揃えていくのはむつかしかったよ。

 ゴムを持つ人は、最初は足で踏んで、次は足首、次はひざ、腰、おへそ、胸、肩、耳、そして頭のてっぺん、最後に立ったまま手を上に伸ばしたところまで、ゴムをあげていく。それをきれいに足で引っ掛けて、

そのまま歌に合わせて足に絡めて、またもとにもどして・・・って、繰り返すのは、うまいお姉さんしかできなかったんだよ。もうみんなから憧れだったよ。

 ゆうは、そんなこと見たこともないだろ? 

 とびっきりうまい人が二人で向かい合わせで歌に合わせて踊ると、うん、もうこれは踊りだよね、本当にきれいで、みんなで見つめてたよ。

 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

遊びでも、言葉だけで説明するのは、むつかしいですね。理解できるほど、説明できていたでしょうか。力のなさに気が滅入ります。

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