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五百四十一夜、ばあばの洋裁学園生活 204 母の職場復帰 40 その後 6

今日は、ばあばの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、洋裁学園の頃のことだけれど・・・

 お母さんと△△さんのコンビでの仕事は順調に進んでいく。午前中だけでかなり進んで、余裕で早く終わりそうな見通しになった。

 お母さんと倉庫に来た時には元気がなくなっていたものの、△△さんにもだんだん元気が出てきたようだった。実際に在庫調べをやってみると、全く埃が立たないわけではなかったけれど、奥の締め切りになっていた窓を開けたこともあって、たいして気になるほどの埃は立たなかった。最初の頃は恐る恐るだった△△さんも安心した顔付になって、それもあって仕事が思ったよりも進んでいった。

 お母さんも最初の内は緊張していたようだったけれど、順調に在庫調べが進んできて、△△さんの不安が取れてきたのを見ると、ホッとして肩の力が抜けてきたようだ。

 お昼休みになる頃には、二人とも打ち解けることが出来て、二人であれこれ噂話が出来るようになってきた。△△さんの雰囲気も何かほっとしたように見えて、のびのびと話せるようになっていた。

 それで、お母さんと△△さんは一緒にお昼ご飯を食べながら様々なことを話せたようだ。ただ、一つだけ、会社の仕事のことを話すときには、なぜか歯切れが悪かった。特に、お母さんが会社に出て来てから、今、二人で一緒にやっている在庫調べが、なぜ今まで中途半端になってしまっっていたのかということについては、全く話す気がないようだった。

 それで、お母さんは気が付くことが出来た。確か、在庫調べをしたのはこのと社長の姪だったと聞いていた。じゃあ、結論は決まっている。それに、お母さんが朝、出社したときに挨拶をかわそうとしても、無視するのも同じ人だったからだ。

 △△さんは事務所勤務だ。毎日、その当人の、社長の姪と顔を合わせていなければならない。その上あんな態度の人にでも、普通に相手をしなければならないのは、かなりなストレスなのではないかって思う。お母さんは、わが身に振り返ってみて、とても耐えられそうもないって思った。良くここまで我慢して会社で仕事をしているものだと感心するくらいだ。

 △△さんの我慢強さに感心するとともに、体や心を壊さなければいいけれどって、心から心配になるのだった。


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

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