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五百三十四夜、じいじの高校生生活 196 お母さんの家へ 63 義父 33

今日は、じいじの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、高校生の頃のことだけれど・・・

 じいじのお話がこのままだとどんどんズレて行ってしまいそうだから、ギュッと元に戻さないといけないね。ズレ始めたのは義父との会話が少なくて、思い出すことがあまりないってことだったかな。その話のあたりでおかしな横道へ入ってしまったようだね。だんだん思い出してきたよ。

 そうだね、どこから話したほうがいいのか、じいじは小さいころから、あまり友達がいなかったことは話したよね。年を取ってしまった今でも、やっぱりその頃と変わらないで、あんまり友達と呼べる人は見当たらないよ。

 じいじは友達が欲しくても出来なかったって言うより、友達としてのお付き合いが苦手だったってことがあったんだよ。小学校に入る頃からそんなところがあった。もちろん、その頃にはじいじの体に胎毒が出て、夏が近づくとお医者さんで「一つ、二つ、三つ、四つ……。」と言いながら、手術用のメスでおでき(じいじの場合、主に頭の髪の中や、顔や首周りにできて、身体の方にはあまりできなかった。おできとか吹き出物と呼んでいいのかな)を一つづつつぶしてもらっていた。

 その後は薬を塗って包帯を巻くので、『頭だけミイラ男』になっていた。それで周りのみんなから逃げられていたのだけれどね。もちろん、その時は友達なんかがいた記憶がない。夏の時期が過ぎればひとつ残らず消えてしまったので、気にする必要がなかったんだけれど、でも周りの人は気味悪がっていたのかもしれないね。

 逃げ回っていたのは周りの人たちで、じいじは面白がって追いかけていたけれど。その時担任の先生はどうしていたのか、全く覚えていないのだけれど。ひょっとしてじいじは放っておかれていたんだろうかね。うん、まあいいや。

 今から考えてみれば、その頃から人付き合いが淡白になってしまったんだろうかね。それからずっと特に友達と感じる人とお付き合いした記憶がないんだよ。

 そんな基本的に淡白なじいじにとって、身近な人はおばあちゃん一人だし、二人いる叔母さんたちのこども(じいじにとって従弟妹になる)と一緒に住んでいる伯父さんの一人息子(年が二つ下なので従弟になるのかな?)のほかにはあまり印象がない。それらも、各家を訪れた時だけの淡い関係のような気がする。


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

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