四十八夜、叔母さん家の日々 2 砂鉄集め
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、小学校の頃のことだけれど・・・
近所に N 君と言う兄弟がたくさんいる人の家があったんだよ。じいじがこちらに来てすぐに友達になり、家に遊びに行ったり、一緒に外で遊んだりするようになったんだよ。
そのうちに、大きな缶の中にたくさん溜めてあった、砂鉄を見せてもらったんだよ。最初はなんだかわからなかったけど、真っ黒い粉がたくさん入っていて、持ち上げようとしても重くて上がらなかったよ。たぶん、まだまだたくさん溜めて、それを売るんじゃないかって言ってたよ。
それでじいじたちも面白そうだし、遊びたくてうずうずしてたので二人して一緒に集めに行くことになったんだよ。特に汚れるわけでもないし、割と手軽に集められるというので、喜んでついて行ったんだ。
道具は磁石があれば何でもいいのだけれど、学校で使う学習用だとくっつきが悪く、一度にたくさん集められないとのこと。それで、自転車の発電機や、オートバイの発電機の中に入っている磁石や、モーターの中の磁石なんかを紐で結んで、それから集めた砂鉄を入れる缶をもって出発だ。
向かう先は、海。砂浜の砂の中に割とたくさん混じっていて、たくさんある所は、黒い縞模様になってるとのこと。いくら縞模様が出ていても濡れているとくっつかないのでよく乾いたところで集めることになる。
それで、そんなところで磁石をずるずる引っ張って歩くと勝手にくっついてくるわけ。で、やってみると遊びでするのは面白くて結構集まるなって思ったのだけど、いざ集めてみるとたいした量ではなくて、やっても、やっても缶はいっぱいにならない。
家で見せてもらったあの缶一杯の砂鉄はいったいどれほどに時間をかけて集められたものなんだろうか。とてもちょっと遊びに来て集められる量ではないことが分かったよ
夕方暗くなる前まで、遊び半分で集めた量はやっと缶半分になったかならないかくらいだったよ。それを大きい缶にさらさらと入れるとほんの少しだけ増えたかな程度で、これは大変なことだなってしみじみ思ったよ。
遊び半分で、ちょこちょこ集めたくらいの量では、お金にはならないんだって納得したよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
今日は砂鉄集めのお話でした。日本刀の原料に使う玉鋼用の砂鉄は、川で採るそうです。海で採る砂鉄は、拾い物の鉄くぎ扱いだそうです。たぶん、ほんとうです・・・。




