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四十二夜、冬の海とワカメ取り

今日は、じいじの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

 「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、小学校の頃のことだけれど・・・

 冬になると、近くの友達と海まで遊びがてらワカメを取りに行ってたよ。

 そのためには長い竹の先に横木を付けて、ワカメをひっかけて引き寄せて取り上げなければならないので、その準備をするんだよ。だから、竹藪のあるうちに行って、竹を切らしてもらうんだ。そうしたら、枝葉を落として先を四つに割る。そこに割った竹を挟んで動かないように針金や、藁縄で縛る。たくさん挟み込めばそれだけ引っ掛けることが出来るのでそこは腕の違いで、じいじは二本ぐらいしかできなかった。

 友達は手先も器用だったし、本気でワカメを取るつもりだったからいっぱいつけてたよ。たくさん竹に挟むと、弱くなって外れやすくなったり、壊れやすくなる。そこで挟み込んだところを補強と、引っかけたワカメが外れにくいように荒縄をぐるぐる巻いていく。

 大体、じいじたちが暮らしてたのは、丘の上なので、海からは遠くて、こんな長い竿なんかを持っていけなかったんだよ。だから、海の近くで、竹を切らしてくれるところを捜して、そこで準備をするから、大変だったよ。友達がいつも頼んでる家に行って、お願いして作るわけさ。

 できた竿をもって、海へ行くんだけど、大きな台風があったことで海岸に堤防が出来て、今までみたいにそのままずるずる引っ張っていくことが出来なくて、大変になってしまった。高潮の際に閉鎖するゲートから竿を出して、海の中に入れてそれから自分たちが海側に出る、そうしないと、引っかかって出しにくいんだよね。ポンって放りだすと海に落ちて流れちゃうから仕方ないよね。

 砂浜だとワカメが取れないから、岩場か堤防かしかできないから、ぐるっと遠回りしていくととんでもなく回り道になるし、竿が邪魔になっていきたい所に行けなくなるし、大変になったよ。けど、堤防が出来てかえってワカメが取りやすくなったこともあって、良し悪しってことかも知れないね。

 冬の海は荒れてて、波が強い。おかげでワカメが流れてくるんだけど、子供の手では、大きなものは上がらない。切れ端や、何とか上げられそうなものを狙って引っかけて引き寄せて、持ち上げる。そんなことを何時間もするんだよ。でもあっという間に時間だけ過ぎていくよ。たくさん取れて、家に持って帰れないくらいのこともあれば、切れ端が取れるだけのこともある。

 ワカメはそのまま家に持って帰り、水洗いして物干し竿やロープに干すのだけど、荒縄が一番いいみたいだったよ。乾きやすくて風で飛ばされにくい。引っかかるんだよね。物干し竿だと乾くと風で飛んで行ってしまうこともあってね。

 冬の風や波の強い時にはそんなことをしていたよ。たまには、ワタリガニ(ガザミ)が取れたりしてね。友達の中にはお母さんと、海に入って、風や、波で流れた海苔を拾う人もいたよ。海苔のほうは鑑札が要ったからじいじたちにはできなかった。お金がかかるんだよ。あの頃は貧しかったよ。

 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。


なんか簡単そうに話してたけど、実際は、北風ビュービューなうえ、波が高くて、そんな甘いものじゃなかったみたいです。でも、一度くらいはやってみたいかも・・・。こんなこと言うと怒られるかも。

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