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四十一夜、ばあばの中学生生活 7 調理実習のおにぎり

今日は、ばあばの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

 「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、中学校の頃のことだけれど・・・ 

 ばあばたちが調理実習があると、男子が廊下に押しかけてきて、物欲しそうに覗いてるんだよ。先生も最初の頃は追い払ってたんだけど、煩わしくなったのか、あまり言わなくなったんだよ。

 特に、混ぜご飯の時は行列ができてね、余ったご飯をお握りにして、先着順で配ったりしてたよ。最初は、おとなしくしてた男子だったけど、だんだん図々しくなって、なんでみんなにくれないんだって。

 何言ってるんだ、ってことになって、今後一切男子には実習があっても食べさせてやらない、ってことになったよ。だってさ、自分たちの分を削って、おにぎりを作ってたのに、自分たちはなにもしないでもらえるのが当たり前みたいに言うのは許せないよね。

 確かに、多少あこがれてる男子にはちょっとだけでも食べてもらって、私の作ったおにぎり、おいしい?なんて聞いてみたいけど、それほどでもない人に、あれこれ言われるのは正直嫌だよね。うまい、まずいならともかく、これ本当にお前作ったのか?なんて言われた日には、それ返してよ!って言いたいよね。

 中でも一番ショックだったのは、おにぎりって握った人の手垢がついてるからうまいらしいよ、って言われた時だよね。もうちょっと別な言い方はないのか?って言いたいよ。

 男子に好かれてない人が作ったとびっきりおいしいお握りを食べさせてやりたくなるよね。食べた男子はあとでだれが作ったお握りかわかった時にどんな顔をして、どんなことを言うのか聞いてみたいわよね。彼女、ぱっと見には冴えないように見えるけど、何でもできて、お料理なんか目をつむっててもできちゃいそうだしね。ほんと、男子は何処に眼を付けているのやら、だよね。

 そういえば、好きな男子に告白したくて手紙を書いて渡すのを手伝わされたことがあってね。ばあばはくっついていっただけなんだけど、なんか、ばあばのほうが恥ずかしくなってきて、二人して赤い顔をしてたよ。その後、男子の家の近くで、一度だけ会ってお話したみたいだけど、どうなったのか、聞いてないからわからないけどね。たぶん、何も言わないからうまくいかなかったのかもしれないね。彼氏、そんな悪い子じゃなかったと思うけど、勉強ができてたし、受験があったから前の話みたいに、うやむやになっちゃったのかもね。

 いろんなことが起きたけど、何一つ忘れてはいけないことだらけで、大切な毎日が過ごせてたように思うよ。ゆうもそんなようになるといいよね。

 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。



なんかね、手紙を書いたり、渡したり、のんびりしてたんですよね。今では、あっという間に返事が来るし、変な風にこじれちゃうこともあるよね。もっとゆっくりしてたほうがよかったんでしょうかね。

たぶん、何度も書き直したり、破いたり、そのまま保留になって涙の湖に沈んだりしてたのでしょうか。

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