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四百四夜、じいじの高校生生活 131 体育祭準備 109 H君の仲間 46

今日は、じいじの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、高校生の頃のことだけれど・・・

 じいじはお昼ご飯をどこで食べるか決めかねていた。食事が出来るお店が何処にあるのかよく知らないこともあった。先だってH君たちとお昼を食べに行ったお好み焼き屋さんへ行くのが一番迷わなくていいのだけれど、今日は行きたくなかった。周りは暑くて、そんな中でアツアツのお好み焼きを食べる気にならなかったこともあった。でも、それよりもH君たちが、家への帰り道にあるこのお好み焼き屋さんで、お昼ご飯にするかもしれないことの方が気になっていたわけだよ。

 だから、じいじはあえてそこでお昼を済ますことを避けてしまった。だから余計にどこに行ったらいいのか迷ってしまったのかもしれない。まだ小さかった頃に、お母さんと喫茶店に入ったことがあったけれど、さすがに一人でその喫茶店に入ってお昼ご飯が出来るほど神経が太くはなかった。加えて保護者同伴以外では喫茶店に入ることは禁止事項になっていたと思う。

 喫茶店に入ってコーヒーを飲んだり、お昼ご飯を食べたりしたらそのことですぐに、言われているように「不良」になる、ということは信じてはいない。小さい頃にお母さんと入って、その頃大好きだったクリームソーダを飲んだときには、別にどうということもなかったと思っている。なんでそんなことが禁止事項に含まれているのか信じられない気持ちもあったのだけれど、禁止は禁止なのだろう。その禁止事項を破って行為に至った場合には、最悪、退学になるかもしれない。

 お昼ご飯を食べに行っただけで退学処分になるんでは釣り合いが取れない。ほかには何があったのだろうか。自転車で走っているところの脇には、飲み屋さんの縄のれんが下がっているところがある。知っている所とは別の喫茶店らしきところがある。お土産屋さんや酒屋さん、八百屋さんに魚屋さん、肉屋さんもあるのだけれど、今みたいなファミリーレストランの姿などはどこにも存在しない。雑貨屋さんも、金物屋さんもあるのに食堂が見当たらない。

 この街はどうなっているんだ? それともどこか、目立たない所でこっそりと営業しているのだろうか。そりゃ、じいじはこの街で育ったわけではないから仕方がないのかもしれないけれどね。

 困った……。


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

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