三百八十二夜、じいじの高校生生活 120 体育祭準備 89 H君の仲間 35
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど・・・
夏休みに入ってからの第三日目、じいじはいつもの通りに高校に登校した。おばあちゃんは少しだけ怪訝な顔をしたけれど、特に何も言わなかった。
じいじはおばあちゃんに一応体育祭の準備に手間が掛かるので、夏休み中何度も登校することになることは話してあった。それでも、現実に夏休みに入って間もないころから、毎日登校するのはさすがに度が過ぎると思っているのだろうかね。もっとゆっくりしたほうがいいって思っているのかな。
それでもじいじには学校ですることがあるのだし、学校に行くって嘘をついて他のよからぬことをしているわけでもなかったので、堂々として登校していくほかにはできなかったよ。
じいじが中学校の頃には、夏休み中に部活動で中学校に登校していたことはしていたのだけれど、これほど頻繁に登校していたわけではなかった。じいじが部活動に本気で取り組んでいなかったこともあるのだけれど、補欠選手だったことも関係しているのかもしれない。
高校に入ってからは部活動も、クラブ活動も本気では取り組んではいなかった。様子見して居るうちにはなんだか入りにくくなってしまったこともあるけれどね。中学校の時にしていたバレーボールにしても中学校では九人制だったけれど、高校では六人制になってしまって、ルールが変わったし、それに伴って個人個人の負担が大きくなって、ある程度技術が伴っていないと続けてはいけない感じがしていたから、これはもうしょうがなかった。
ほかのスポーツは知らないけれど、ことバレーボールについては高校の部活動でお楽しみクラブっていう取り組み方が出来るような雰囲気ではなかった。じいじには中学校に引き続いて、基礎体力作りのために毎日、毎日、長距離を走るのは願い下げだったしね。ハッキリ言って、じいじはマラソンが大嫌いだった。
おばあちゃんには、そのうちに体育祭の関連資料でも見せながら、詳しく話をしなくてはいけないなって思っていたよ。
そんなことを考えながら自転車で慣れた道路を走り抜けて、H君とその仲間たちがいるであろう高校に向かって行く。今日もきっと暑くなる、そう感じる青空が広がっていた。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。




