三十七夜、ばあばの中学生生活 5 教科担当の先生たち
今日はばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、中学校の頃のことだけれど・・・
ばあばが中学校で初めに緊張したのが、クラス分けで半分くらいが初めての顔で知っている顔が少なかったことだったよ。もちろん知っている顔って言っても、小学校の時に一度か二度ほど顔を合わせたことがあるだけでほとんど話をしたことがない人ばかりだったけど。
ばあばが通うことになったのは近くの小学校が二つ寄り合って、一つの中学校になっているところだったよ。ばあばはこちらに転校してきてまだそんなに経っていなかったから、親しい友達がたくさんいなかった。なので特に寂しいこともなかったけどそれでも、初めて顔を合わせて自己紹介するのは緊張するもんだね。
中学校の生活が小学校と違っているところを説明してもらったり、どこに何があるのかなど、見学してるときもずっときょろきょろしていたよ。
クラスの中で班分けして、これからほかの人たちよりお付き合いが多くなる人たちが決まったんだけど、見知った顔はいなかったよ。班長はほかの小学校の人だった。今度はみんなが転校したみたいなものだったので、それぞれが不安そうな顔をしていたね。
でも、ばあばは学校が勉強をしに来るところだと割り切って、あんまりたくさんのことを期待しないことにしていたよ。それまでの親しい友達から別れてこっちに転校してきたから、なんだか、いまさらっていう気持ちが強かったよ。それでも、特によく話をしていた人がいたのでその人とはずっと後まで親しくしてもらっていた。でも班が違っていたから、その人とばかり話しをしているわけにもいかなかったから、なんか微妙だったね。
しばらくしてから授業が始まったんだけど、教科ごとに先生が替わるのは新鮮だったよ。
いろんな先生がいたよ。若くてまだ先生になりたての人、がりがり勉強のことを言う先生、痩せた先生、まーるい先生、おじいちゃん先生など様々で、教え方もそれぞれだったよ。
中でもびっくりしたのは、理科の時間だった。
いきなり、火鉢の上に薬缶を乗せてお湯を沸かしていると、急にしゅんしゅん湧き始めるのはなぜか?って、質問を出されたことだったよ。考えたこともなかったし、小学校では習ったことがなかったから、見当もつかなかったよ。二、三人男子が答えていたけど、どれも違っていたみたいだった。
そうしたら、先生が箱を持ってきて、みんなを集めて、中を見ているようにって言われた。
しばらく見ていると、シュッと白い筋が走るのが見えた。
先生は、これが関係してるって言われたけど、なんだかわからなかったね。あとから教えてもらったのがその箱は霧箱って言って、薬缶の湯に、白い筋を作った何かが飛び込んで、そのエネルギーで急に沸騰したんだって言われた。宇宙にはこの何かがたくさん飛んでる、人間にも飛び込んできてるし、この宇宙にあるものすべては、この何かに晒されてるってことだよ。これは宇宙線だって。
では、これからこういうことを勉強していきましょう、って授業が始まったんだよ。なんだか、かっこいいよね。みんな眼が真ん丸だったよ。
おや、眠たくなってきたかい、これじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
こんな授業を始められたら、私、いっぺんに理科が好きになってたかも。ちょっと残念。




