二千四百九十一夜、ばあばの社会人生活 105 ばあば就職する 105 印刷会社 78
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──そうしている間には、お昼休みの時間がやってきた……。
ばあばは、この町の商店街の場所も、お店の情報にも疎かったので、家からお弁当を持ってきていた。
事務所の二階、デザインや版下部門があった部屋の隣の部屋には割と広いスペースの休憩室と女子従業員のための更衣室が造られてあった。
若い男性従業員や比較的にお年を召したオジサマ従業員の一部は、外のお店などで食事をしている様子だった。
ばあばは、お弁当を家から持参していた。
だからその延長で、その休憩室のなかでIさんや他の女性従業員の皆さんなどと一緒に、お昼ご飯をたべることになった……。
「……今日から、この会社で働くことになった、あーです……。
わからないことばかりなので、いろいろと教えていただけると嬉しいです……。」
朝の朝礼の時にF社長さんから紹介があったので、ここでは必要がないかなあって思ったのだけれど、一応は、皆さんとの距離も近いことから改めて、簡単に自己紹介をしておいた……。
そうすると、今まで黙っていた皆さんも緊張が緩んだのか、あれこれと話が始まった。
今、全盛期を迎えているような、グループサウンズの各グループの話やら、女性歌手や男性歌手、アイドル歌手から演歌歌手までの動静などが取り上げられていた……。
ばあばにとっても、その広い範囲の様々な話題が出てきていたのが面白かった……。
なかには、遠慮もなにもなく、ばあばの個人情報的なことを聞きたがっている人も、いたのだけれどね……。
その中でもばあばがびっくりしたのは、この会社関係者なのかを盛んに聞き出そうとする人がいたことだった……。
田舎ともいえるような地方では比較的に中堅どころだとはいえ、小さな会社に過ぎないこの会社なのだし……。身内びいきな所が多少はあるのかもしれないなあ……とは思ったけれど……。
しかし、ばあばには全く関係がない……。
……どこからそんな話が出てきたのか……。
ばあばには、少し面白いなあ……という気がした……。
「……先月の中旬だったかしら……私の家がある町に入ってきた新聞折込の募集チラシを見て応募したんですよ……。
これまで私は、この町に来たことが一度もなかったので、右も左も何んにもわからなくて……。
今でも、商店街や食事ができるところがどこにあるのかも、まったくわからないんですよ……。
これから先もしばらくは、家と会社を往復するだけで、この町のことを何も知らないままになってしまいそうですよねえ……。
この町には、お友達が一人もいないんですから、仕方がないかもしれないのですけれど……。」
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




