二千四百九十夜、じいじの高校生生活 1174 三年生 129 二学期から 111
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
「──……千客万来とはいかなくても、多少は来てくれる人たちがいたのかなあ……。」
なんだか……ガランとしているような雰囲気が漂っている展示教室では、H君たちが手持無沙汰なのか、ダランと伸びていた……。
「……ああ、それなりにはなあ……。
だいたい、宣伝も勧誘もしていないのに、たくさんの人が詰めかけてくる……っていうのもおかしなことだろうと思うしなあ……。
でも、たまには……どこかで聞きつけてきたのか、年下女子たちが固まって来たりしたこともあったぞ……。
そんな時には、説明なんかで忙しかったけれどな……。
……まあ今は、一区切りついたかなあ……ってところだな……。」
H君は、どことなく疲れているような表情を浮かべているように見えた。
「……ああ……それからなあ……まだ気が早いのだろうけれど……。
この文化祭が終わった後、ここに展示がしてあるお前が書いた論文だけれど、俺にくれないか……。
用事が済んだからといっても、このまま処分してしまうのには惜しいと思うからなあ……。
また何かの時に展示ができるかもしれないし……。使うかどうかは別にして、俺が保管をしておきたいからな……。」
じいじは、そんなH君の話に驚いた……。
もちろん、じいじが書いたこの壁新聞的な主張書きが、じいじは、惜しくて取っておきたい……などとは、思ってもいなかった。
家に持って帰っても、狭い部屋の中では、置く場所などなかったからだ……。
それでなくても、じいじたちの部屋は、これ以上余計な荷物など置く場所がない……というような状態だった。
「……ああ……いいよ……。
僕は、この張り紙書について特に思い入れがあるわけではないので、H君が何かに使いたいのなら好きに使っていいから……。
それに……気が変わったら、その時点で捨てても、燃やしてしまっても、何の問題もないからね……。
僕が家へと持って帰ったとしても、どうせお風呂の焚き付けにしてしまうことぐらいにしか、使い道がないんだからね……。
H君がしたいことにこれらが役に立つのならば、それに越したことはないと思うからさ……。」
じいじは、何の底意もなく返事をしたつもりだった……。
けれど、H君にとっては何か気になるようなことがあったみたいで、ちょっとだけ嫌そうな表情が現れたような気がした……。
じいじは、これ以上の用事がなかったので、H君たちの前からはさっさと辞することにした……。
「……僕は、美術科の展示が少し気になるので、それを見た後で、他の展示の様子を見てくるかもしれないから……。
そのあと、終了時間くらいにはもう一度ここへ来て、後片付けくらいなら手伝えると思うよ……。
それじゃあ、その時にまたね……。」
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




