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二百四十四夜、じいじの高校生生活 51 体育祭準備 26 進路と協調

今日は、じいじの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、高校生の頃のことだけれど・・・

 先輩方が言っているやる気がない人たちにもできることがあったら手伝ってもらえる工夫をすることについては、じいじたちははっきり言って自信がなかった。だいたいそこまで突き詰めて話し合っていなかったし、やる気がない人たちまで巻き込んでどうにかしようという、考え自体がなかったかもしれなかった。

 確かに、高校生活に、進学や、就職だけを求める人たちがいることについては異論がない。でも、価値観が違うってことが、お互いに歩み寄って理解し合うことの妨げになることについては今までの経験からしても解り過ぎるくらいに解ることだったよ。これをどうやって乗り越えるのかじいじたちには今一つ分からなかった。

 高校生活の三年間が、進学や、就職だけのための三年間になってしまうのが淋しいんではないのかって気持ちはあったよ。一番感じやすい時期だと言われていることも知っている。自分の胸に聞いてみても、ただ単に、三年間を流れの中で過ごしてしまうことに残念な気持ちがあることも解っている。この自覚があるからこそ、今、じいじはこうして夏休みに入ったところだというのに学校に出てきているわけだから。

 だから、やる気がない人にだって多少はこういう気持ちがあってもおかしくはない。全面的に協力する勇気がなくても、少しくらいはこの三年間を自分にとって有意義に過ごしたいって気持ちがあってもおかしくはないのだろう。人は、日々変わっていく。昨日の自分が今日全く同じであるとは言えない。何かのきっかけで考えが変わることだってあるんだろう。

 そんな時に、話し合いの時に積極的になれなかった人が気が変わってちょっとだけ手伝ってみようと思うことだってあるだろう。この時に、あなたは協力できないと言ったでしょって拒否するのと、それでも受け入れて共同で作業できるのとでは違うのだろう。これがきっかけで、お互いにお互いの立場が理解できるようになれることがあるかもしれない。

 あまりに理想論だと笑う人がいるかもしれない。協力できないと言った人は自分で参加させてくれって頼みに来ればいいっていう人が普通なのかもしれない。でも、じいじは簡単そうなことですら、なかなか自分から、考えが変わったから参加させてくれって言いだすのが難しい事を知っている。

 じいじの場合は、ちょっとしたことで喧嘩をしてそれが原因でボーイ〇カウトを辞めてしまった経験があるからね。

 じいじみたいにはっきり自分に原因の一端がある場合でも出来ないことが、はっきりミスがなくて考えが違うことだけですれ違ったことに、自分から歩み寄るのは難しい事も解る気がしていたよ。


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

求めるものや、価値観の違い、むつかしいですね。

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