二十四夜、ガキ大将戦争
今日はじいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、小学校に入ったばかりの頃のことだけれど・・・
学校に入るといいことは、友達が増えること。ただ、友達が増えるのと同時に、今度は面倒なことが起きた。がき大将の対立だった。それが村単位の対立になって、こっちの村のグループと、あっちの村のグループとの対立にすり替わってしまったこと。
じいじは全然そんなことは思ってもみないことだったのだけれど、気が付くと巻き込まれて、昨日まで友達だった人があっちのグループだったりすることも。
それだけで済まなくて、ひどい時は、崖の上と下で石や、泥団子のぶつけ合い。時には、どこから持ってきたのか、鎌ですすきや笹竹を刈って崖の上から雨あられと投げ落として、下にいるあっち側のグループにけがを負わせたり。鎌で刈ったところが鋭いので、上から投げ下ろされると、頭や体、手や足に刺さったりするんだよ。
深い傷にはならないけど、逃げ回っても当たると痛いし、血が出ることもある。慣れてくるとうまく避けるようになるのだけれど、それまでは、騒いだり、泣いたり、もう大変だった。じいじのグループは、崖の上の集落なので、攻めて来られてもいつも上なので有利と言えば有利だったのだけど。
しばらくすると、さすがにあっち側も、不利すぎると文句を言いだし、一度下になってみろってことで、交代してみたけど、とんでもないよね。敵うわけがないよ。じいじは口には出さなかったけど、腹の中では、そんなに文句があるなら、攻めてくるなよって思ってたよ。
もともとガキ大将同士のことだったのだから、二人で決着を付ければ済むのに、なんでじいじたちも巻き込むんだか。
たぶん、こっち側の大将があっち側の大将の言うことを聞くのが嫌だったんだと思うよ。
そのうち知らないうちに収まって、あっちのグループともいしょに遊ぶようになり、どんどん仲間が増えていったよ。増えるって言っても、町のようの徒党を組むほどではなくて、ちょっとしたグループが一回り大きくなっただけだったけどね。
グループの中には大きな歳の上の人がいれば、まだまだ幼い人もいたよ。そんな中には、遊んでほしいのと、置いていかれるのが怖いのとで、トイレにも行けなくて、とうとうズボンの中に漏らしちゃた子もいた。パンツもズボンも濡れたまま走り回ってる子がいて、楽しいんだか、苦しいんだか、悲しいんだか、わからないよね。たぶん、家に帰って怒られるんだろうね。
聞いてみると、その子はいつもあれだから、いいんだってことだった。なんだよそれって思ったけど、まだ幼い子の面倒を見るのは大変で、じいじには無理っぽかったから、黙ってたよ。
今から思うと、その頃が一番活き活きとしてた時期だった気がするよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
じいじの言うには、こんな過激なことでも、役割を決めて、みんなが一緒にしないと、すぐに負けてしまうし、自分たちの大将はこれまでの義理があったから、おいそれと裏切れなかった、んだそうですよ。きっと、まだ語られていない秘密があったんではないかと、密かに思っています。




