二千三百三十七夜、ばあばの社会人生活 28 ばあば就職する 28 印刷会社 1
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──ほんのちょっとのことなのだけれど、致命的に状況が変化をしてしまうことになってしまうのだろうかなと思う……。
そんなこともあって、これから毎日陽が短くなっていくことに、ばあばは不安があるわけなのだ。
それに加えての、職場の主任のことが大嫌いなのだときては、なんだか……この職場で受けられるメリットがあまりにも小さいのかなあ……と、ばあばは感じるのだけれど……。
というわけで、ばあばにとっては、初めての就職なのだけれど、六か月ほどの勤務で辞めてしまうことになってしまったのだ……。
ばあばは、翌日からは、今までの就職先のことは一切を忘れた……。
しばらくばあばは、家でぼんやりと過ごすことになった。けれど、それもそんなにたいして長くは続かなかった。
たまたまなのだろうとは思うのだけれど……。今度は、隣の町の印刷会社からの求人・従業員募集の新聞折り込みチラシが入ってきたのだった。
それをたまたま見かけたお母さんが、これに応募してみたらどうか……と、今度も言い出した。
どうせ、ばあばは暇なのだし……。それに、お母さんと二人だけで家でじっとしているのも気づまりなこともあって、遊び半分で隣町へと行ってみることにした。
しかし、一人だけで隣町へと行くのも心細いし、なんだか嫌だった。なので、ばあばは割と親しい友達のOさんと二人連れで、チラシ広告の印刷会社へと様子見と見学を兼ねて、行ってみることにした。
ばあばは、友達との打ち合わせに従って、バスで通うことを想定して、それの予行演習も兼ねていた。
しかし、始業時間あたりは会社自体が何かと忙しいだろうということで、朝の時間帯を避けることにした。それはもちろん、友達のOさんの意見に従ったというところもあったのだけれど……。
バスで隣町へ行くのは、思ったほど時間が掛かるというようなことはなかったように感じる。
それに、バスでの通勤客は、それほど多くはないようだった。それに、かえって隣町の方から、ばあばが住む町への通勤客の方が、多かったのではないのかなあと思うくらいだった。
ばあばが住んでいる町からの通勤客は、その町にある高校へと通っている男女の学生が、多少は目立つくらいだろうかなあ……と、ばあばは考えてもいた。
……その会社への直近のバス停は、会社から百メートルくらい離れているところにあった。
バスから降りて歩いたとしても、わずかな時間が掛かるだけで、何も問題ないのではないのかと、ばあばは判断した。
「……こんにちは……新聞に折り込まれてきた求人のチラシを見て、見学がてらお邪魔しましたが……よろしかったでしょうか……。」
ばあばは、Oさんと別れた後、会社へと訪問をした。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




