二千三百二十四夜、じいじの高校生生活 1091 三年生 46 二学期から 28
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──文化祭の前日までに、じいじ自身が中太の黒のマジ○クインクを使って、横書きで清書をすることになった。
じいじが一人で通して書かないと、書体の変化やそれぞれの癖がある書き方などで、結果的に読み辛くなってしまうのではないのかなあと、じいじが考えたからだ。
じいじは、横画が細くて、縦画が太い字形になるように、フェルトのペン先の向きが変わらないように気を付けながら、できるだけ同じ大きさの、扁平な字形になるようにして書き上げた。
B紙六枚分すべてを書き上げるまでには、時間がかなりかかってしまった……。
けれど、まずまず読み易い展示物にはなったかなと、じいじは自負をしている。
できあがった展示物の清書分は、H君たちに校正を依頼して、間違いがないか……抜けた部分がないかなどをチェックしてもらった。
その後、最終的なその展示物は、H君たちが文化祭の展示当日まで預かることになった。
これでじいじのお仕事は一応は終了したということになる。
あとは、当日の朝、自分達の教室で点呼を済ませて、展示場所として借りている教室へ行き、H君たちの展示のお手伝いをしていけば良いことになる……。
これで、H君たちに展示物を渡してしまえば、H君たちからの依頼については、無事に完了したということになる……。
じいじにとっては、肩の荷物を降ろしたように、プレッシャーが無くなって、ほっと一息つくことができるということになる……。
ただ、クラス委員長としては、あまり積極的にクラスの文化祭対策について、関わってはこなかったということがあった。
でもその分、各種委員会の委員さんたちが、張り切って頑張ってくれていた。
なので、安心してじいじが手を抜いていられたのかな……という部分があったのかなって思うのだけれどねえ……。
それにじいじには、クラス副委員長さんのサポートとその努力が、目立たないけれどありがたかった。
だから、じいじがやってきた展示物の作成の裏には、彼女の密かな貢献があったのだ……ということになる……。
だからこれには、じいじは頭が上がらないのかもしれない……。
……文化祭の前日の準備作業には、大掃除が含まれていた……。
H君たちが展示スペースとして借りられた教室が、美術室や音楽室がある旧校舎の中の一教室だったためだ。
そこは、階段を上がった同じ二階なのだけれど、音楽室とは反対方向に廊下を歩いていくと、その教室がある……。
以前は何かで使われていた教室らしいのだけれど、今は使われなくなってから久しいということだった。たぶん、文化部関係や何かのサークル活動の拠点だったのかもしれない……。
それで……埃っぽい状態だった教室を、普通に使えるようにしなければならなかった……ということだったのだ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




