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二十三夜、迷い犬のお話

今日はばあばの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

 「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、小学校に入ったばかりの頃のことだけれど・・・

 ばあばがお勉強中よく窓の外を眺めていたのだけれど、見ると校庭を犬が歩いてるのが見えたんだよ。気になってずっと見てたんだけど、うろうろするだけで、どこにも行こうとしなかった。それで、次のおやすみの時にみんなで飼育小屋からウサギ用の食器を持ってきて水を飲ませようとしたんだよ。

 喉が渇いていたのか、たくさん飲んでみんなから撫でられたり、突かれたりしてもおとなしくしてた。そうこうしているうちに次の時間が始まるのでみんな教室に戻ったのだけど、みんな気になっていて、そわそわ落ち着かなかったよ。でも、どこにもつないでいなかったし、飽きたらどこかに行ってしまうだろうとみんな思っていたんだよ。

 また休み時間になって、様子を見に行くと校舎の横からとことこ出てきて、盛んにしっぽを振って、遊んでくれてた。もう一時限あるけど、その後は土曜日だったので、家に帰れるし、その時にみんなで連れて帰ることも相談してたよ。さすがにいくら嫌いな算数でも、なにもせずに窓の外ばかり見てるわけにはいかなかったから、勉強してたら、窓の外でごそごそ音がするのに気が付いた。

 先生が黒板に向かっている時にそっと覗いてみると、窓の下にさっきの犬が来てて、盛んに板壁をひっかいてたんだよ。ちゃんとわかってたんだと感心するのとびっくりするので騒ぎだして、先生には怒られるし、犬もそこから逃げ出して、いなくなってしまったよ。

 あーもうどこかに行ってしまったんだと思っていたけど、実はまだ校舎の横にいて、ばあばたちが出てくるのを待っててくれてた。

 だから、ばあばが代表で一時預かって、うちに連れてくことにしたんだよ。みんなで連れ立って家に着くまでちゃんとついてきて、お父さんに話をしているうちもちゃんと玄関で座って待っていた。だから、お父さんも、これは利口な犬だから飼ってもいいっていうことになって、それからは家にはイヌが二匹になったんだよ。前からいるジョンとも仲が良くて喧嘩したりもせずに一緒に居たり、二匹まとめてお散歩に出たり、結構手もかからなかったんだよ。

 学校に行く時や、帰りがけに、給食の残りや家から用意してきたパンの耳なんかをあげたり、交代でお散歩に行ったり、たくさん遊んだんだよ。ばあばのクラスの人気者だったよ。

 実は後から気が付いたんだけど、ジョンは雄犬だったけど、新しく飼うことになった犬は雌でね、ジョンとの間に何度か子供ができて、それぞれ、クラスのみんながもらって帰って、飼うことになって、みんな幸せになったっていうお話さ。

 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

この頃、テレビでは名犬ラ〇シーが話題になっていて、みんなが犬を飼いたかった時期でした。コリー犬まで行かなくても、犬なら何でもオーケーだったそうです。でも、家で飼えるのは一部の方たちだったんですけどね。

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