二千二百八十九夜、ばあばの社会人生活 4 ばあば就職する 4 駅前のミニ百貨店 4
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが初めて就職をした頃のことだけれど……。
──出社したばあばの一日は、ロッカー室で制服に着替えてから、まずはお掃除から始まるのだ……。
マネキンの周辺の掃除から始まって、ガラスケースの埃や汚れ取り……。そして、ハンガーなどで下げてある展示商品などの整理整頓や、吊り下げられている商品などを整えるお仕事……。
などなど、結構たくさんある……ように感じられるのだろうとは思う。けれど……実際には、やり方によっては、すぐに終わってしまうような、お掃除と開店準備なのだった。
それが終わると、各部門の主任等からの簡単な朝礼が、各職場ごとに行われる……。
これは毎朝のことなので、主任の朝礼でのお話は、似たようなものになりがちなのだ……。けれど、それは誰も言わないことになっている……ということらしい……。当然ばあばも、その際には何も言わずに黙って聞いているだけ……ということなのだ。
毎朝の朝礼の最後には、いつもお客様へのご挨拶……、「……いらっしゃいませ……。」「……ありがとうございました……。」などを、全員そろって大きな声で唱和することになっているということらしい……。
当然、ばあばもみんなと一緒に唱和するのだけれど……。
しかし、ばあばは恥ずかしさもあって、大きな声で発声するのが苦手だった。
なので、ばあばだけの責任だとは言い切れないのだけれど……。たまには、連帯責任なのだろうか、その場の全員で声を揃えてでの発声の、やり直しをさせられてしまうこともあった。
ばあばたちの職場がある同じ二階には、婦人用身の回り品売り場が集中して置かれてあった。
婦人用和洋服や、婦人用下着類から、婦人用の小物雑貨などの売り場や、化粧品なども置かれていたと思う……。
そして、ばあばのいるところから一番近くには、宝石・アクセサリー売り場が置かれてあった。
……一つ上の階の三階では、紳士用品が各種取り揃えられてあったと思う。
ばあばには、特に用事がなかったので、ほとんど行ったことがない……。だから、当然のことながら、三階のことはよくわからない……。
そして、一階には、食料品各種から、生活雑貨や小物、学用品や文房具、小規模なおもちゃ売り場から、本屋さんまでが配置されていたと思う。
そこには、食品に関するお土産なども置かれていたのではないだろうかと思う……。
上の各階には、それぞれテナントとして入店している、喫茶店やら和・洋食店から、子供向けの軽食などを扱うお店などもあったのではないのかなあ……と、ばあばは思っている。
ばあばも、二階にある喫茶店で、友達や知り合いとなった人たちと、たまには話をしたりしていたかな……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




