二千二百十二夜、じいじの高校生生活 1035 二年生 116 二学期以降 16 手紙 12
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──中国地方・四国の一部方面への修学旅行……だったはずなのだけれど……。
岡○方面=後○園、?池田○物園?、大原○術館、倉○美観地区散策、?鷲羽○公園?……その他?(?……?は、記憶がはっきりとしない部分となる……。)
四国方面の一部=フェリーにて渦潮の見学、栗林○園……その他?
広○方面=安○宮島、○島平和記念資料館、平○公園内散策……その他?
……だったと思うのだけれどなあ……。ちょっとはっきりとしないところがある……。
二泊三日だったと思うから、スケジュール的に無理っぽかったら、?……?の分を外してもらうと、どうなのだろうかなあ……。
はっきりとは覚えていないので自信はない。けれど、こんなスケジュールでないと無理があるかなって思うからしょうがないよね……。
【一日目】
移動(修学旅行専用列車?または列車車両貸し切り?)~岡○着~後○園、?池田○物園?見学~(泊)
【二日目】
大原○術館~倉○美観地区散策~?鷲羽○公園?~フェリー移動(渦潮の見学)栗林○園見学~フェリー移動~安○宮島(泊)
【三日目】
嚴○神社見学~広○平和公園・○和記念資料館散歩・見学~帰郷(新○線または修学旅行専用列車?または列車車両貸し切り?)
一日目はともかくとして、二日目のスケジュールが厳しいかもしれない……。
しかし、じいじが憶えている範囲内では、どうしてもこんな感じになってしまう。
この中で、確実に見学に行っているなあって憶えているのは、後○園、大原○術館、倉○美観地区散策、フェリー移動(渦潮の見学)、栗林○園、嚴○神社見学~広○平○公園・○島平和記念資料館散歩・見学、だけなのだ。
あとの部分については、移動を含めてあまり印象に残ってはいない……。ひょっとしたら、何かの経験や思い出と混乱しているところがあるのかもしれないと思う……。
この記憶の曖昧さについては、じいじ自身が、この修学旅行を貪欲に楽しみたいという、意欲に欠けていたということが原因としてあったのだろうかなと思う。
ともかく、じいじにとっては、二泊三日の修学旅行が、強い印象を残さないままに終わってしまったということになる。
その中でも印象にはっきりと残っているのは、広○平○資料館(旧称、○島平和会館原爆記念陳列館)での見学の際、小用をもよおしてそこのトイレに行った時でのことだ……。
当時の地理の担当教諭の小柄のおじいちゃん先生とお隣同士で小用便器の前に立った時のことだった。
「……ははは、君とこうして並んで小用をたすということは、もう二度とはないだろうねえ……。」
すこし苦笑いを含んだ微笑を浮かべながら、そんなことを言われた。
このシーンだけが、なぜかはっきりとじいじの印象に残っている……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




