二千百三十五夜、ばあばの洋裁学園生活 1001 おじいちゃんの来訪 121
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、洋裁学園の頃のことだけれど……。
「──……これから行く友達は、どんな経緯でお付き合いが始まったんだい。
その娘が住んでいる家はこの近所ではなくて、ここからはかなり離れているところなんだろうねえ? それに、その娘の家は大きなお寺さんだということなのだろう?
おじいちゃんの若い頃の経験では、お寺さんのお子さんは、なかなかに気位が高くて、お付き合いがし難かったような印象があるんだけれどねえ……。
もちろんこれは、おじいちゃんの狭い経験から持ってしまった、独断と偏見からの印象なのだろうけれどねえ……。
……あーちゃんがよかったのなら、おじいちゃんにも、その辺りの話をすこしだけでも聞かせてもらえないかなあ……。」
おじいちゃんは、ニマニマと微妙な笑みを浮かべながら……一応興味があるからなあ……という表情を浮かべて、ばあばに話し掛けてきた。
ばあばは、それからしばらくは、友達との出会いの経緯についての話を、おじいちゃんに話して聞かせることになっていた……。
その後、お土産用のケーキとクッキーなどのお菓子をたくさん買い込んできた、お母さんとも合流した。
そして、ばあばたちは、友達が首を長くしてばあばのことを待っているのだろう、お寺さんへと向かうことになった。
……以前、ばあばがここへと遊びに訪れた際には、交通手段としては電車とバスを使って、乗り継いできていた。
その方法でここへと訪れるのには、待ち時間等があることもあって、かなりの時間が掛かってしまっていたように思う。しかし、お父さんが運転する車で送ってもらうということになると、なんだかあっという間についてしまったような気がした。
もちろん、おじいちゃんに友達との経緯などを話していたこともあって、車の中での時間が短く感じられていたのかもしれないのだけれど……。
それでも、最短距離にも近い道路を辿ってこられるということは、便利なことには違いない。
私たちは、通常十八歳の誕生日が過ぎれば、自動車の運転免許証取得試験が受けられることになっているということらしい。
ばあばも、できることならば、運転免許証を取りたいかなあって思ったのだけれど……。ただ、免許証だけがあったところで、使うことができる車が無ければ、それはお宝の持ち腐れになってしまうのだろうと思う。
でも、お休みにどこかへと遊びに行きたいのであれば、当面はお父さんが車で送ってくれるのだろうと思うからね。だから、今のところばあばは、免許証を取る必要はないのだけれどねえ……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




