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二千百二十五夜、ばあばの洋裁学園生活 996 おじいちゃんの来訪 116

今日は、ばあばの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

「…………。」

 そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、洋裁学園の頃のことだけれど……。

 ──彼女とのお付き合いは、別に秘密にしておきたいことなどではない。訪問をした後には、ばあばの家族にもちゃんと話をしている。

 なので、心配するような問題はないのだろうとは思うのだ……けれど……。

 それでも、最近の彼女の様子を見ていると、なんとなく、家族ぐるみのお付き合いへと範囲を広げてしまったほうが、結果的には良い方向へと向かうのではないだろうかなという気がしている……。

 ばあばは、その日の夕食の際に、話を持ち出してみた。

「お父さん……今日のことなのだけれど……。以前家へと遊びに行ったことがある、洋裁学園での友達から、また家へと遊びに来て下さいって言われてしまって……。

 それが……今までに何度も誘われていて……。今回は断り切れなくなってしまって困っているんだけれど……。

 それで、次の日曜日にそこへ遊びに行ってもいいかなあ……。」

 お母さんの表情が、あからさまに険しくなった。

「……いや、お母さんのお父様がこちらへとせっかく来てくれているので、美味しい海鮮料理でもみんなで一緒に食べに行きたいと計画をしていたんだけれどなあ……。

 友達のところへと行くのは、どうしても次の日曜日でなければだめなのかい……。」

 お父さんもやはり計画を立てていたのだろう……。

「……それが……今まで何度も誘われていたのだけれど、私の方の都合で伸ばし伸ばしにしていて、さすがに今回は断り切れなくなってしまって……。

 今度の日曜日には必ず遊びにいくって、彼女には返事をしてしまったので……。」

 お母さんは、黙ってばあばのことをにらんでいる……。

 けれど、ばあばにはばあばの都合というものが、たまにはあるんだよ、お母さん……。どうしてもばあばも参加しなければならない予定があるのなら、何よりも先に教えておいて欲しかったなあと、ばあばは思うんだよね。

「私が行くことになっている友達の家は、この辺りでは歴史のある名刹と言われているらしくてね……。そこはとても大きなお寺さんなのだけれど、国宝級のお釈迦様のお姿を模した像や、文化財に指定がされている建物などもあるのだということらしいよ……。

 それに何より、そこのお守りのご利益が有難いらしくて、たくさんの御参りするという人たちが、日頃から来ているということらしいよ……。何番目だかの札所にもなっているらしくてね……。

 だから、私は食事会前には合流するということで、それまでは別行動をするということで、何とかならないだろうかなあって考えているのだけれど……。」


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。

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