二千百十四夜、じいじの高校生生活 986 二年生 67 一学期 67 生徒会 44
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
「──いつもお世話になっております。今年もよろしくお願いいたします。」
じいじたち二人は、慌てて走り寄るとオーナーらしい人に挨拶をした。
「おうおう……君たちも、いつもご苦労さんだねえ……。
これも毎年のことなのだから、仕方がないことなのだろうけれどなあ……。
……しかし、今年もかなりの量があるので、気を付けて運んでくれよ。
一度に運ぶのはちょっと厳しいかもしれないので、二度に分けたほうがいいと思うから……。
その際には、窓口にいる娘に言ってくれたらまた鍵を開けるから……。
慌てなくてもいいから、くれぐれも安全第一でやってくれよな……。
それで、出入りの際には、忘れないようにして彼女に声を掛けておいてくれよな……。
……非常口というのはけっこう不用心なんだよなあ……。」
館内側からは簡単に開くようになっていて、外側からは施錠がされるような型式の扉を入ると、二階への(だぶん、二階には映写機などが設置されている部屋があるのだろうと思う。)階段の下のスペースに小さな倉庫が設けられてあった。
そこには、くるくると丸められているポスターが、蜂の巣のような形に放り込まれてあった。
「……これは……うん、このままの形で運んでいくのは、無駄が多いかもしれないわよねえ……。
最初は、二人で段取りをすることとして、二度目以降に運ぶ分は、手分けをしたほうが良さそうだと思わない……。
私はここに残って、丸まっているポスターを拡げて、運びやすいように重ねておくわ。あなたは、それを自転車に積んで、さっさと学校まで運んでしまってよ……。
そのポスターの置き場所は、元実習教室だったところが、今は資材置き場になっているらしいので、そこに邪魔にならないように、ひとまとめにして置いておいてくれると助かるかな……。
たぶん、委員会の人たちが出入りをしていると思うので、その人たちに簡単に指示をしておいてもらえると、後が楽になると思うので……それもお願いね……。」
じいじと会計のCさんは、埃っぽい所を避けながら、さっさと段取りを済ませた。
そして、広げられて重ねられたポスターを真ん中で曲げて二つ折りにして重ねる。そして、それができた分を自転車の後ろの荷台へと縛り付けて積んでいく。
「これって結構重たいから、自転車がふらふらしそうで危ないよ。だから、急いでは帰ってこられそうもないかも……。
Cさんも、無理をしないようにしてください……。急がなくてもいいからね……。」
じいじは、窓口に控えている女性に事情を簡単に説明をしてから、自転車をふらふらと運転しながら学校へと向かって行った。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




