二百二夜、じいじの高校生生活 30 体育祭準備 9 制作物会議 1
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど・・・
「デコ」制作の一番基本的なことが決まったのでそれからはいったいどんなものを作るかに議題が移った。これも、結構議論沸騰、しなかった。まるでそのままのお地蔵さんを作ろうかって意見が出たところで沈黙が支配した。なにしろみんな勝手がわからない、どんなものが作れるのかが想像できない。
困った議長がいったん休会して知り合いの先輩に教えてもらいに行くことになった。もう時期的に後がない事だし早急に決めないと夏休み中迷走しかねないわけだから。
クラスのみんなが、特に見積もりなんかを頼まれた女子グループが心配そうに見ていた。みんながみんなどうしていいのか見当もつかない顔をしていた。
しばらくしてから議長を含めた数人が戻ってきた。それに二人の先輩方。
片方は女子で、もう片方が男子先輩。とりあえず女子A、男子B、としておこう。
早速話し合いが再開された。B先輩が中心になって「デコ」の基本的な作り方と構造、仕上げの方法、人員の配置、どのくらい時間がかかるのかなど、現場の方面の話をしてくれる。A先輩は材料の見積もり、どこで手に入れられるのか、生徒会からの配給、援助の範囲などを説明。
その後、二班に分かれて説明会になる。B先輩は作業、実務の方の細かい話に入る。A先輩は制作時における材料の使用する種類やその手配時期の詳細について。かなり細かいところまでクラスの女子たちに講義があったようだった。
最初途方に暮れていたみんなが徐々に表情が明るくなって、何とかなりそうだって気持ちになったのはお二人の先輩方のおかげだったよ。全く、この時期に説明に来てもらわなかったら手を付けることが出来たとしても途中で行き詰ってしまったところだった。
こうして、徐々にクラスや隣のクラスを含めた製作委員会も動き出すことが出来たよ。
各クラスで話し合った結果を持ち寄って製作委員会の場で話し合いがもたれた。ある程度は前の段階で打ち合わせがなされていたので比較的に話し合いは穏やかに進んで、制作する「デコ」のテーマや、対象もすんなりとまとまったようだった。
じいじはこれでゆっくりと夏休みが迎えられそうだと思ったよ。でも実際はそんなわけにもいかなかった。さらにさらに大変なことが待ち受けていたんだよね。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
何しろ手間が掛かりますね。




