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十九夜、初めてのテレビ

ばあばの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

 「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、小学校に入ったばかりの頃のことだけれど・・・

 ばあばの家は、大きくはないけど商売をしていて、それもあってテレビが入ったのが早かったんだよ。その頃のテレビはブラウン管で、画面が真四角になってなくて、角がなんとなくまーるくなってたんだよ。今みたいに、あらかじめ電気を流しておいて、電源オンにすると待つことなく画面が映るってことがなかったよ。詳しいことはわからないけど、中に入っている真空管が暖まって、ちゃんと働いてくれないと映らなかったみたい。

 今みたいにコントローラーなんかなかったから、チャンネルを変える時は大きなダイアルをガチャン、ガチャン、って回してほかのチャンネルを選ぶわけ。チャンネルも、公共放送、教育放送、それに民間放送局が二つあったっきり。画面も、白黒のモノラル放送だったから、今みたいなカラー放送なんて、考えられなかったよ。

 ばあばのお父さんは、相撲中継や、野球中継、プロレス中継なんかが見たくてテレビを買ったみたい。まだ、たぶんテレビが出回り始めてそれほど経っていなかったせいで、今でいう超高級品だったみたいだよ。だから、使わないときにはカーテン生地でできた、ひらひらのついた大きな掛け布を掛けてた。それで、見る時には、前をまくり上げて上にのっけてそれで電源オン!になるわけさ。

 最初の頃は、アンテナがなくて、テレビの上に羽が一枚のちょうちょみたいなものが乗ってた。チャンネルを変えて映りが悪くなると、くるくる回したり、窓のそばに持って行ったり、こっちの部屋に置いてみたりして、何とか見てたよ。映りがよかったってことはなかったよ。田舎や、大きな建物の影、山の影なんかだとまったく映らなくて、テレビは買ったものの映りが悪くて、何のことやらってこともあったみたい。

 ばあばは、ホー〇ラン教室、お笑〇三人組、赤胴鈴〇介、七色仮〇、白馬童〇、少年剣〇、新吾十番勝〇、なんかが好きで、いつも見てたよ。今は、アニメって言ってるけど、そのころはマンガ放送って言ってて、ジ〇ングル大帝なんかが始まると、近所のお友達がみんなうちに来て、並んでみてたよ。その時は玄関が靴や草履でいっぱいになってね。本当に楽しかったよ。ざらざらした画面でも、十分楽しめてさ。

 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

昔のテレビ番組には、〇印はいらなかったのでしょうか?とりあえずつけときました。お見苦しいかと思いますが、ごめんなさい。

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