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百五十三夜、ばあばの洋裁学園生活 10 友達の家に訪問 2

今日は、ばあばの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

「・・・・・・」

 そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、洋裁学園の頃のお話をしようかねえ。

 Bさんの家は海の近くだった。堤防を近くに見て、細い路地を少し歩くともうそこが玄関だった。

 玄関の引き戸をトントンと叩くと奥の方から返事の声が聞こえて、暫くすると、お母さんだろうか、三十代後半の女性が現れた。

「まあ、いらっしゃい、遠かったでしょう? どうぞあがってね。」

 そういいながら、前掛けで手を拭きながら、応対してくれた。

「今日はお客様が多くて、家の中が賑やかでいいわねえ。」

 どうやら他にも訪問している人がいるのか、こんなことなら他の日にしたほうが良かったかなって思ったよ。お母さん? に付いていくと二階に行く階段をトントンと上がっていく。へー、足が悪いのに、二階に自分の部屋があるのかって、ちょっとびっくりしていると、階段を上がった先の廊下を少しはいったところにある引き戸の部屋に案内されたよ。

「Bちゃん、お客様よ、開けるわよ。」

 入り口の先の部屋には、Bさんの友達の姿があった。

 ちょうど、その友達も予定がなくて、いつも世話になっているからついでに呼んで、遊びに来てもらったとのことだった。ばあばには都合が良かったよ。ばあばは本当のところ、あまり知らない人と長くお話をすることが苦手で、途中で話す事がなくなりそうになって慌てることがあるんだよ。話すことよりも、相手の話を聞いている方がいいくらいで、どちらかというと友達の家にまで遊びに行くことが苦手だったから、内心ほっとしていたよ。

 それから、Bさんから、正式に友達の紹介があった。Sさんと言って、隣の駅がある町に住んでいて小学校の頃からの友達だという。何かとBさんのことを気にかけていてくれて、これからもずっと友達でいようねって、話しているってことだった。

 それからは、三人でいろいろなお話をしていたよ。

 さっき案内してくれた、(あとでおばさんだったって事が解った。お母さんは今日、漁協の仕事で家を空けていた。それで叔母さんが手伝いに来ていたらしい。)叔母さんがお菓子を持ってきてくれたり、飲み物を運んできてくれたりしながら、ニコニコしていたけれど、感じの良い人だと思ったよ。

 いろんな話をしていたよ。小さい頃の話、こちらに引越ししてきたころの話、小学校の頃の話、中学校の頃の話。

 いつの間にか、お昼になって、それが過ぎて三時のおやつになって、そろそろ帰らないと、夕飯の心配をしないといけなくなるころまで長居をしてしまっていた。


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

 

いろんな友達がいると、人生が楽しくなりますね。

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