百六夜、じいじの中学校での思い出 1 入学式とお母さん
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、中学校の頃のことだけれど・・・
じいじもいよいよ中学校に入学することになったよ。
中学校に通うのは徒歩通学になった。自転車通学するのには住んでるところが近いことで規則上できないことが理由だったね。そうは言っても四キロメートルを超えるくらいはあったからあんまりのんびりはできなかったんだけれどね。たっぷり一時間ぐらいはかかったからね。
伯父さん家からは小学校が近くだったよ。中学校はそこを通り過ぎてずっと歩いて駅を通り過ぎて海のほうまで行かなければならなかったんだよね。ハッキリ言って遠かった。
中学校の入学式は桜が満開で気持ちがいい天気の日だったよ。なんでこんなことまで覚えてるかというと、じいじのお母さんが来てくれたからね。入学式の後、伯父さん家に寄って伯父さんたちに挨拶してそれから帰っていったよ。今から考えるとおばあちゃんとじいじが住むことになった部屋を見に来たんだよね。お金は出すけど口は出さないことにしてたらしいからどんな風になってるか心配したんだと思うよ。
お母さんは挨拶が済んで部屋を見たら遅くなる前に帰っていったよ。お仕事を休む訳にはいかないらしかったよ。じいじもいつものことだから大騒ぎはしなかったけど、一晩くらい泊まっていけばいいのにって思ったよ。
その時はそう思ったけど、考えてみれば狭い家だし、じいじたちと一緒に休んだとしても食事のことやほかのことで義姉にあたる義伯母さんに嫌な思いを掛けさせてはいけないって気を利かせたんだろうね。じいじの食費はきちんと毎月支払ってたからそれほど気を遣わなくてもいいんじゃないかって思うけど、そういうわけにもいかなかったんだろうね。
朝ご飯とお弁当は自分持ちっていうか、祖母と一緒に二人で食べていたけど・・・。夕飯は伯父さん家族と一緒にしてたよ。夕飯の支度は主に祖母がしてた。義伯母さんも働いていたからね。毎月ことづけられた予算の中で祖母がやりくりしてたけど、足が出たら自分持ちだってぼやいてたのを聞いたことがあるよ。
ここでもすっきりはしないけど仕方のないことなのだろうね。
でもね、じいじは伯父さんに大きな感謝を感じてるよ。なかなかに大変な立場だったのは理解してるからね。
こうしてじいじの中学生生活が始まったんだけど、正直、あまりいい思い出がないんだよね。何故かはわからないけれど、ぽつぽつとあるばかりではっきりしないんだよね。
次はそんな中から印象に残っている思い出を二つか三つ話が出来ればいいね。そんなふうに思っているよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
じいじの中学校編が始まりました。




