百四夜、叔母さん家の日々 30 新しい世界 16
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、小学校の頃のことだけれど・・・
じいじは隣町の叔母さん家から自転車で毎日学校に通っていたんだけど、冬の日の朝に事故に遭ってしまったんだよ。
学校にもう少しでつくところだったんだけど、といってもまだ二キロメートルくらい手前だったけれどね。大きなカーブの内側だったかな。
前にトラックが止まってたんだよね。今思うと大きなトラックじゃなかったんだけど、内側は溝になっていて自転車では通れなかったのでトラックを避けて道路の真ん中あたりまで出て行ったのかな。
そうしたら前から単車が走ってきてぶつかったってわけ。
カーブだったしカーブの入り口にトラックが停まっていたこともあって前から単車が来るのが見えなかったんだよね。周りが田んぼだったら遠くから単車が走って来るのが見えてたかもしれないけど、そのあたりは小さな集落で家が建っていて見通しが悪かったのもあるね。
まだ早い時間だったので道路自体はがらんとしていて通る車や通勤の自転車なんかも走っていなかったよ。
病院へ運ばれたのだけれど、その頃は救急車なんかなかったし、よく覚えてないんだけど、たぶん、単車のお兄さんの後ろに摑まっていったのか、後から来た車に乗せられたのか、だったと思うよ。その時の印象が残っていないから車に乗せられていったのかな。憶えているのは誰かに事故の状況を説明してるところと自転車のペダルが曲がってあっちの方を向いていたところ。それから、その後しばらくはちょっとへこんだ黄色い自転車で学校に通っていたこと。
けがのほうはたいしたことがなかったのか、一日か二日学校を休んだかもしれないけどすぐに通学してたと思うよ。
そこら辺までが小学校の思い出だね。
中学校までは叔母さん家にいなかったから、その年の春には今度は伯父さん家に行くことになったよ。当然だけれど、祖母も一緒だった。
っていうか、祖母が長男のところで面倒をみられるついでにじいじがおまけについて行く、ってことなのかな? とりあえずあっちこっち預けられてふらふらするのがひとまず落ち着いたってことかな。
小学校を卒業して中学校に入学するときには伯父さん家にいたからそういうことになるよね。
伯父さん家には子供が一人いたよ。男の子で学年が二年下だった。家は借家で大きな家ではなかった。だから、祖母とじいじがお世話になる余裕はなかった。それで、後から聞いたことだけれども、じいじのお母さんがお金を出して伯父さん家の空いたところに細長いL字型の部屋を作ることになったらしい。そこに祖母とじいじが暮らすことになったらしいんだよね。
うんん、今になって考えてみると様々考えがあると思うけど、言い分も様々だと思うけど、なんだかすっきりしない所はあるかもねー? じいじは感謝をしているよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
次からはじいじの中学校生活です。




