十夜、泥団子とジョンのお使い
ばあばの順番です。なんか思うに、お嬢さんっぽいですか? こうやって書きだすと、なんかね。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「・・・・・・」
そうだねえ、じゃあ、ばあばが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、小学校にも行ってない頃のことなんだけれど・・・
とにかく外で遊ぶのが好きで、お友達と連れ立って遊びに行っちゃうのが日課だったよ。海の近くに住んでいた時は、貝殻を集めたり、海岸に落ちていたたぶんレンガの破片だと思うけれど、長い間波に揺られて、まあるく削れて、つるっとなったものを、石で擦って粉にして、それを砂にかけてスープにしたりしてた。それがみんな、妙に気に入ってまあるい破片をたくさん集めて、今度は、泥団子に振りかけてみたり、少しづつ色の違ったもので、草や、集めた木の実なんかを混ぜたものに、振りかけて、おままごとにしたりしてたよ。
ばあばのいたところは、妙にそのレンガの破片?がたくさん落ちていて、いろんな色の粉がたくさんできた。毎日毎日海岸に出ては拾い集めて、宝物にしてたよ。
特に、泥団子に振りかけて、つるつるに磨くと、硬くて、ぴかぴかに光る団子ができて、それを大事に袋に入れて毎日眺めていたよ。だんだん数が多くなって、袋に入りきれなくなって、それで、八百屋さんから、段ボール箱をもらってきて、その中に、きれいに並べてしまっておいたよ。でも、いつの間にか、崩れていたり、ひび割れてしまったりしていて、あれは何で割れてしまったんだろうね、中に虫が入っていて、生まれてきたわけではないと思うんだけど。泥団子じゃなくて、泥卵?になっちゃったのかねえ。
小学校に入学したころに、お家に犬が来たんだよ。シェパードでジョンっていう名前だった。幼稚園は給食だったけど、小学校はお弁当で、よくお手伝いさんがジョンにお弁当を咥えさせて、持ってきてくれた。そんなことは、学校でも見たことなかったから、みんなに気に入られてジョンはおとなしかったこともあり、もみくちゃにされるほどに、かわいがられてたよ。やはり、なんか、誇らしくて、嬉しかったよ。
学校から帰れば、また外へ出て、かくれんぼや、まり遊び、電車ごっこなんかもやってたね。電車ごっこは、長い縄やロープで輪を作ってその中にみんなが一列に並んで、一番前は運転手さん。一番後ろは車掌さん。それで、次は、小田原――、次は熱海――、なんて、行ったこともない所の駅に停まって、旅行に行った気分になって、喜んでいたよ。ばあばは、真ん中辺のお客さん、運転手さんや、車掌さんは、大きなお姉さんたちがやってたよ。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
まずまず、無事になんとか十夜にたどり着きました。今後もあわてず騒がず淡々と、頑張ります。




