義父母と鬼嫁のドリフな毎日~醤油スプレー編~
義母はとにかく味付けが濃い。おひたしの醤油も、垂らすのではなくグルグル回しかける。ゆえに夫婦そろって高血圧。
義父の脳梗塞以来、病院の先生や栄養士さん、デイケアのスタッフの方からも「塩分は控えましょうね。」と繰り返し言われているのに、聞こえないのか忘れてしまうのか、食卓には醤油たっぷりの大根おろしなどが並び続けた。
ある時、仕事先の同僚の方から「100円ショップに『醤油スプレー』っていうのがあるよ。」と教えてもらい、すぐさま探しに行った。
なるほど、これなら少量でもまんべんなく降りかかり、満足してくれそうだ。醤油さしに入れていた減塩醤油を移しかえ、初日は私が2回スプレーして「これぐらいですかね。」と出してみた。義母も「これはいいわ。」と言ってくれ、ひと安心と思っていたら……。
日に日に義母のプッシュ回数が増えていき、先日聞き耳を立てていたらなんと12回押していた――「だめだこりゃ。」
減塩醤油は塩分がこいくち醤油の1/2。物足りないのはわかるが、これでは減塩もスプレーも意味がない。むしろ中身をこいくち醤油に戻した方が、味が濃い分プッシュが減るのではないか。
3倍値の張る減塩醤油をこいくち醤油に戻すことで、出費とプッシュのダブルカットをもくろむ鬼嫁であった。