第一話:テンプレきました
俺の通う高円寺高校は公立でしっかり勉強していれば誰でも合格できる高校だ。
そんな高校には俺の幼なじみが俺を含めて3人いる。しかもみんな同じクラスだ。
「やあ。龍真おはよう。あと少しで夏休みだな。早くきてほしいなぁ」
「だよなぁ。暑いし、外出るだけで焼け死にそうだよ」
今話しかけてきたのは、さっき説明した幼なじみのひとりで名前は藤本研だ。容姿がよく成績もまぁまぁなので普通にモテる。もちろん男だ。
「龍真は夏休みどうするんだ?」
「家でゴロゴロするかなぁ。行くとこないし。ついでに暑いから出たくない」
「たまには運動しないと太るぞ」
「太らないくらいに運動はするさ」
夏休みの話をしながら歩いていると俺達の教室についた。
俺のクラスは2-Cでクラスメイトの人数は30人と少なめだ。
「おっはよー。龍真」
「あ、おはよう。龍真君」
「凛、立花さん」
福井凜。幼なじみの一人で全体的に小さい。
立花香織。こちらは全体的に平均的である。
「龍真がさ、夏休み行くところがないって言ってたからこの4人でどこか行かない?」
「おっ。いいねぇ~」
「そうですね。この4人でどこか行きたいです」
「ホントに行くのか?まぁ別いいけど。それで行くとしたらどこなの?」
♪キーンコーンカーンコーン
「SHL始まりますね。この話は後でしましょう」
俺達はそれぞれ席についた。が、10分たっても先生が来ない。
「先生来ませんね。僕が呼んでくるので皆さん少し待っててください」
このクラスの委員長の池田和稀が先生を呼びに行こうとしたが、
「あれ?ドアが開かない」
どうにかしようとしてまだ委員長が頑張ってたとき、いきなりそれは現れた。白い球体のそれが。
『やあどうも。君たちはいま君たちの世界にはいない』
(なっ!?)
声を出そうとしたが出ない。
そんな考えを呼んだのかは知らないが、また声が聞こえてきた。
『今君たちは喋れないよ。だから、僕の話を冷静に聞いてね。じゃあ君たちが一番気になってることから、僕は神だ。これから行く世界のちゃんとした神だよ?信じてね?』
(やべぇ。ちょー胡散くせー。)
『まぁこれから行く世界にはたくさんの神がいるから。僕はその一人だよ。さて、今までの話で分かるかもしれないけど、君たちは異世界転移する。ある国に勇者として呼ばれるんだ。神としてはとても困るからしてほしくなかったんだけど、ちゃんと目的を果たせば元の世界に帰れるみたいだから頑張ってね。生きて帰るんだよ。そろそろ時間だし、詳しい話は向こうで聞くといい。じゃあね』
言いたいだけ言ってどっか行きやがった。そこで教室が白い光りに包まれた。
目を開けたときそこはとても広い場所で床には多くの人の考えるような大きな円の中に色々な模様が描かれた魔法陣があり、周りには鎧を着た人、中世っぽい服を着た人、魔法使いが着そうなローブを着た人、いかにも豪華な服を着た人がいた。
ここはどこだ?
そんなことを考えてると、
「ようこそいらっしゃいました。勇者様方。私はこのレーブルグ王国第一王女レティア・レーブルグでございます。いろいろ聞きたいことがあるでしょうが、召喚されたばかりです。明日詳しく話すので、今日はゆっくりしてください。城の中は、好きに歩いて構いません。では明日」
そう言い残して鎧を着た人たちだけが残った。彼らは俺達を部屋に案内するようだ。みんなが冷静なのはさっき神にあって帰る方法があると言われたからだろう。
そうして俺達はそれぞれにあてがわれた部屋にいたり、城の中を探検したりと今日一日を暇潰していた。