第十七話:3つの世界
「のわ!?なんでお前らがここにいるの?」
「なんでってそりゃぁ契約しているからじゃの」
「なんで契約してたらここに来れるんだ?」
「妾らがした契約は魂の契約で主の魂に契約者のデータが刻み込めれる。だから付いてこれたという訳じゃ」
「そうなのか。じゃあ従魔師のテイムした魔物もこの世界に来れるのか。いや魔法が使えないから無理か」
「無理じゃの。従魔師は異世界からテイムした魔物を呼び出しているのじゃ。その異世界は契約した世界に一番近い空の異世界で、ここからでは少し遠すぎるからの。それと魔法は使えるぞ?」
「え?魔法使えるの?」
魔法が使えると言われたので初級光属性現代魔法”光源”を使ってみた。すると光の玉が目の前に現れた。
「どうして?魔法は使えないはずなのに」
「それは使えないのじゃなくて、使えることを知らないだけじゃ」
「どういうことだ?」
そう聞くとアスルドが説明を始めた。
「この世界には大きく分けて3つの世界があります。一つ目は魔法が発展した世界。二つ目は科学が発展した世界。最後に魔法と科学どちらとも発展した世界。これを我々は一つ目から0の世界、1の世界、2の世界と呼んでいます。主様が今いるのが1の世界です。そして飛ばされたい世界が0の世界です。そしてこの3つの世界は全て同じ世界から派生してできた世界。0の世界にも科学は有ります。ということは1の世界にも魔法はあるはずです。しかし魔法というのは使ってるのを見ないと魔力の存在に気付けません。魔法を利用しようとしたかしてないか。これが1の世界とあと2つの世界の違いなのです。ちなみにそれぞれの世界には似たような世界が近くにあり、それらは小数点以下の数字で表されます。例えば1の世界の並行世界の数値を表すとすれば”1.4465416446496”となります。普通一人の人間で越えたり、越えさせたり出来るのは最大で小数点第一位以下の数字まで、整数部は数十人の人が必要になります。つまり主様は人間じゃないということですね!痛っ!」
ニッコリ笑いながら人が気にしてることを言ったので頭を叩いてやった。
「ひどいですよ~。まぁそういうわけで従魔師は魔物を呼び出せないということです」
「なるほどじゃあこの世界の人達にもステータスはあるのか?」
「ステータスというのは自身の魂に刻み込まれたデータを読み取る魔法ですから。魔法さえみればステータスは見ることが出来ると思いますよ」
「じゃあ魔法見せるべきなのかなぁ」
そこが悩みどころだ。魔法があれば便利なので見せて魔法を使えるようにしたいがそれをしたら2の世界と同じような世界になって大丈夫なのか心配だ。
「この世界に魔法を広めたからといって1の世界から抜け出し2の世界になることはないのじゃよ。アスルドが今話したのは只今の現状それからどう変わろうともそれがその世界の運命なのじゃ。悪い方に変わるのが確実なら止めるがいい方に変わる可能性がある場合は別に止めはせん」
「うーん。じゃあ明日みんなに聞いてみるか。それでそうしてお前らは来たんだ?」
「それは序列一位の神からリョーマを呼んできてくれと言われたからじゃ。明後日は休みなのじゃろ?その時に行けばいいはずじゃ」
マジで!?序列一位の神様から呼ばれるの?キツイなぁ~。
その後でこの世界のことを聞いていたら午前一時を過ぎていた。結構長く話したんだな。よし。寝よ
「じゃあもう寝るから。おやすみー」
「じゃあ妾らも戻るかの。おやすみな、リョーマ」
「おやすみなさいませ。主様」