第十四話:対決
俺達が朝起きてまずすることは王城の周りを走ること、もちろんみんな時間はバラバラ。これはこの世界にきてからずっとやっている。ダンジョンの中では出来なかったが。みんなもダンジョンでいろいろあったので練習は休みになったそうだ。
俺が走っていると前に研がいた。
「よお、研。調子はどうだ?」
「それはお前が言うことじゃないだろ。昨日ダンジョンから帰ってきたくせに」
研が呆れた表情で言った。
「まぁまぁ気にしない」
「普通だったよお前がいない以外は、な。そして次はもう魔神を倒しに行く、だもんな」
その後も色々な話をしながら俺たちは一緒に走った。
次にすることは朝食だ。これはみんな同じ時間帯にとる。なので俺、研、凛、立花さんの4人で食べる。
「龍真すごいよね。神格・・だっけ?人間じゃないみたい」
凛にまで人間じゃないと言われてしまった。
「一応人間だって。一応は」
「しかも序列がすごいですよね。最上位って言ってましたけど。具体的に何位なんですか?」
「確か十数位」
確認のためにもステータスを見なおしてみる。
名前・・・日出宮龍真
種族・・・人族(自称)
LV・・・error
職業・・・error Rank:error
HP・・・error
MP・・・error
攻撃・・・error
防御・・・error
俊敏・・・error
知能・・・error
魔力・・・error
スキル・・・
古代魔術”完”・近代魔法”完”・現代魔法”完”・独自魔法・特殊召喚魔法”完”・特殊空間魔法”完”・魔力操作・魔法言語理解・超並列処理・高演算能力・完全記憶能力・脳内データベース・多言語理解・龍使い・鑑定・偽装・追跡・隠密・神格”18位・第百階梯”
称号・・・
転移者・龍使い・龍に選ばれし者・勇者・人間やめました・化け物・隻眼・眼帯つけたら厨二病・黒神龍の主・白竜の主・神も恐れる人間・全ての魔法を修めた者・日出宮、人間やめるってよ
うん、おかしい。種族が自称になってる・・・ステータスにさえ疑われるなんて。称号もいろいろとおかしい。特に最後の完全にパクリじゃねーか。”すべての魔法を修めた者”は独自魔法以外に”完”がついてるからだろう。
「正確には18位だった」
「神格を持つ人の中でそれはすごいね」
「今日の勝負の自信の程は?」
「もちろん絶対勝つ」
その後はダンジョンから帰ってきた時のことや俺が帰ってくるまでなにをしていたかということ、俺がどうやってダンジョンで生き残ったのかを話した。
俺が帰ってくるまで研は剣術を凛は弓術を立花さんは魔法を。みんな一日たりとも練習をしなかった日はなかったそうだ。いつでもあんなことが起きていいように。もちろん起きないことに越したことはないが。
昼前とうとうその時がやってきた。
まず対決場所は訓練場では狭すぎるので広い平野に飛んだ。これクラスの空間魔法に特化した人がした。次にそこで死んでもいいように特殊な結界を張った。これは俺が特殊空間魔法を使って張った。その効果はその結界の中でそんな攻撃を受けようとも最悪気絶にしかならないというもの。
これで場は整った。結界の中央に俺は立ちその周りを魔法師団、騎士団の人たちが囲う形になった。みんなは結界の外から見ている。
「魔法師団、騎士団の皆さん先攻はお譲りいたします。合図が鳴ったら一斉に攻撃をしてください」
「リョーマほんとにいいんだな」
ブランさんがびっくりした表情で聞いてくる。
「はい大丈夫です。それぐらいは出来ないと魔神に傷さえ付けられません」
「いい度胸じゃねーか。俺たち騎士団の本気を見せてやるよ」
静かになった時合図である魔法が打ち上がり魔法師団は様々な属性の魔法を放ってくる。しかも全て上級。騎士団の人達は剣と槍、斧の人は直接、弓の人は遠距離から攻撃を仕掛ける
俺も周りを合図に2つの攻撃を発現する。一つ目は魔法攻撃用、周囲に不可視の結界を張りそれに触れた魔法の術式を解析し修正、威力を倍にしてベクトルをマイナスにする。神級無属性現代魔法、術式改竄。二つ目は物理攻撃用、周囲に不可視の結界を張りそれに触れたもののベクトルをマイナスにする。上級無属性近代魔法、反射。この2つの最大処理数は演算能力によって変わる。俺の場合数万人が一斉に攻撃を仕掛けてきても演算領域を1%も使わずに処理できる。そしていまこの発現まで0.01秒。着弾とともに跳ね返り、辺りが土煙に覆われる。
この土煙が晴れた時俺の周りにたってるひとは誰ひとりとしていなかった。