第十話:ダンジョン最下層?
目が覚めたときそこは岩の中にある宝石のようなものが輝いている神秘的な場所だった。あたりに光源はないのでそれ自体が光っているのだろう。
そして俺の近くにはティオが立っていた。
「お、目が覚めたか」
「何時間くらいたった?」
「ほんの1,2分じゃ」
「さてここから出るのに何日かかるかな?」
「一日十キロ程度歩くとして十日程かの。ボス部屋までは一本道じゃから」
「マジで!?隠れる場所ないじゃん」
「大丈夫じゃ洞穴とかはところどころにあるから」
「そうかじゃあ行くか。おっとその前に」
「我、末端の神を今ここに召喚する、機械仕掛けの神」
地面にとても複雑な魔方陣が描かれフルプレートの人物が出てきた。
これは初級特殊召喚魔法”機械仕掛けの神”。神格を持ったゴーレムを創りだす魔法だ。召喚と言ってもどこからか呼び出しているわけではない。この特殊召喚魔法さっき目が覚めたときに新しく頭に入ってきた魔法なのだ。なんであの白い場所で出なかったのかは不思議だが。
「さすがリョーマじゃ。神さえも召喚するとは」
「今は末端の神格を持ったゴレームを作り出すだけだよ。神級になると実際の神様を呼べるみたいだけど」
「と言うかなんで呼んだんじゃ?」
「危険でしょ。最下層なんだから強い魔物とか出てくるでしょ」
「それはないの。さっき祝詞を唱えたじゃろ?その時リョーマの封印が完全に解かれこのフロアにリョーマの魔力が充満して大体の魔物は消滅したからの」
「魔力だけで?」
「あまりに濃い魔力だったから魔物自身の魔力さえ侵食したからじゃ。証拠に・・・ほれこのように周りの魔鉱石が光っておるじゃろう?魔鉱石は数億年かけて空気中から魔力を取り込むんじゃ。その魔力の量は大きさにもよるがココらへんにあるのじゃと平均的な魔法使い1万人分の魔力じゃ。しかもこのフロア全部の魔鉱石がそうなってるじゃろう。それにこの魔鉱石さっきまでほんの少ししか魔力を取り込んでなかったんじゃ。そんな魔力をなんの準備もなく浴びると魔物でも即死じゃ。わかったか?だから部屋に入ってから召喚されるボスしかこのフロアにいなんじゃ。もしかしたらこのダンジョン全部の魔物が消滅してたりの」
「魔力だけでそんなことができるんだ。へ~」
「自身がやったのに他人行儀じゃの」
「だって実感わかないもん。まぁいいや先に進もう」
ティオの言う通り一本道で魔物は一切現れなかった。
「今日はここらで休もうかの。ちょうどそこに洞穴があるし」
「あー疲れた」
日が見えてないのになんで時間が分かるの?と不思議に思うだろうが、実は俺の腕時計が壊れていなかったのでそれを使ったのだソーラーなの光があれば半永久的に使える。
「明日は身体強化魔法で一気に行かないか?早く出たいし」
「おっと気づかんかった。飛行が使えないからメンドイと思ってたところじゃ」
「身体強化魔法を使ったらどれくらいでつくかな?」
「魔力の量にもよるが1日でつくと思うがの」
「じゃあ明日中についてボス部屋の前で休んでから明後日にボス部屋に入る予定でいいか」
「そうじゃの。ならば今日はご飯を食べて休むかの」
ご飯は上の階層で俺が倒した魔物を空間魔法で収納してあるのでそれを焼いて食べていた。
満腹になったところで俺たちは寝た。