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【詩集】Shangri-La

天上の星 地上の願い

作者: 野鶴善明

 白い星

 紅い星

 黄色い星

 蒼い星

 わたくしはひとり

 星を眺めている


 宇宙から吹いてくる夜風が

 私の頬をそっとなでる

 色とりどりの星の色は

 なんの意味?

 そっと物想いに耽りながら


 届かないあの星々に

 まだ出逢ったことのない

 誰かさんが住んでいる

 言葉を交わすには遠すぎて

 向こうへ行く術もなくて


 そこにはきっと

 私の住む地上の愚かさを

 笑い飛ばしてくれる

 誰かさんがいるのだろう

 私の愚かさを

 叱り飛ばしてくれる

 誰かさんが


 純粋な愛や

 円満な慈悲と比べてみれば

 地上の人間の欲望は

 みなくだらないこと

 これが欲しい

 あれも欲しい

 それがしたい

 あれもしたい

 みな取るに足らないことばかり


 つまらないことはやはり

 つまらないことでしかないのだと

 気づいてはいるものの

 くだらないことが

 傷つけあうもとなのだと

 ってはいるけれど

 とはいえ

 つまらないことや

 くだらないことに

 まみれて生きるしかなくて


 悲しみをすべてなくしてしまうには

 わたくしという生き物は

 あまりに幼くて

 あまりに愚かだから

 何度生まれ変われば

 ひそやかな星々へ

 たどり着くのだろう


 遠い星

 遥かな星

 あたたかな星

 冷たい星

 私はひとり

 星を眺めている


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